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「ねえ、幸村。どうすれば良いのかな」 「…」 まだ、笑ってくれるから 酷いことをされた、違う、あれはを思っての事だったのだろうか。わからない。 いつも、普段聞いているようなことを元就と元親に言われた。 なんでだろう。普段、言われなれていた言葉なのに、あの時だけは、何故か嫌だった。 どうしようもなく哀しくて怒りが沸いてきて、 元親と元就に、酷い言葉を、ぶつけた。 一瞬二人が悲しげな顔を見せたのは、見間違いではないと思う。 自己嫌悪に陥った、誰かに慰めてもらいたかった。 縁側をトボトボと歩いていたら、幸村に出会った。幸村はの顔を見て驚いていた。 元親と元就に言われた言葉、自分がしたことを話したら、 幸村が、一瞬驚いたような表情を見せた、けれど、次の瞬間には言葉を発していた。 「殿、その言葉は、 殿の為に言ったのでござるよ」 「そんな事…」 「わかっているのでござるか。わかってはいないでござろう?」 「…それは」 「誰かの為に何かを言う事は難しゅうござりまする。 言った方にとって、何気ない言葉でも受け取り手にとっては凄い嫌な言葉に変わったり、する」 「…だって」 「相手に悪気はないとわかっていても、どうしようもなく憤りを感じる…、 そんな事は、誰にでも、あるでござるよ」 責めているのではない、そんな事わかってる、なのに。 なんで、こんなにも苦しくて、哀しくて、涙が出てくるのだろう。 俯いた。幸村が其れに気付いて驚いたように「えっ!?えええっ!!?」と大声を出していた。 あの二人の言葉には、を馬鹿にするような、蔑むような含みなんて無かった。 わかってる。わかってるよ。 けれど、は、酷い言葉を言ってしまった。 取り消しようの無い言葉。きっと二人は傷付いている。 もう、仲直りなんて出来ないのかもしれない。 頭に、手が乗る感触がした。 幸村が、コチラを向いて笑顔を浮かべている。 「…言った事、悔いているのならば、それだけでも大丈夫でござるよっ! 取り返しのつかないことをしたわけではないのですから、 まだ、…まだ、大丈夫でござる」 「…でも、きっと…怒ってるだろうし。もしかしたら、もう…」 「怒っている、かどうかは、わかりませぬ。某にも。 人は人、自分は自分。そうでござろう?」 「…うん」 「大丈夫でござるよ!きっと、ううん、絶対に! 謝ったら許してくれましょうぞ!あの二人にとっても、某にとっても、政宗殿にとっても! 殿は大切な存在でござるから」 「…有難う、幸村!にとっても、幸村達は大切な存在だよっ! うん、謝ってくる。…頑張ろう」 幸村が後ろから「頑張ってくだされっ、某、応援しておりますぞー!!」と、 を励ますように言葉を発した。 ──大丈夫、大丈夫だよ、きっと 二人を探す。居ない、何処に居るのだろうか。探す。探す。 見つけた。 でも、二人を目の前にすると、言葉が出てこなくなる。 喉の何処かで言葉が引っかかって、謝罪の言葉が出てこない、どうしよう。 恥ずかしいんだ。は。 なんで恥ずかしいのかは、わからないけれど。 二人がに気付いて、近づいてきた。 「…」 「………」 「なあ、俺、悪いこと言ったな…、ごめんな?」 「我も、悪いことを言ったのだろう。 その、そなたの気持ちを考えずに言葉を発してしまい、すまないと思っている。 その…、……すまぬ」 二人が、伺うようにコチラを見てくる。 言葉、出て。喉に引っかかってる、言葉。 「…の方こそ、ごめん……、酷いこと言った、から、ごめん!」 頭を下げる。元親が「うわっ!?」と驚いたような声を上げた。 元就が「…その、気にしてはおらぬ。顔をあげろ」と、少々焦ったように言葉を紡いだ。 瞬間、なんだか目頭が又熱くなったけれど、頑張って抑えて、顔をあげた。 『大丈夫』、まだ。 笑っていてくれるから。 二人が照れたような笑みを浮かべてくるから もなんだか嬉しくて 涙が又こぼれそうになるのを抑えて、も笑いかえした。 (終わり) 後書き なんていうか。こういう事ってありますよネ!と言う感じで、書きました。 少しでも共感していただければ嬉しいです。 2006.7.13 |