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<星月夜> 夕方、久しぶりにやってきたドイツの家。居間に通されて、は驚いた。部屋の隅っこのほうに、すごい大きくて黒い置物がある。が、前に来た時にはなかったのに。 ドイツはが驚いたことに気付いたのか、苦笑気味に、 「……凄いだろう」 「え、えー? なにこれ、初めて見たよ……」 「俺も最近、渡されたばかりで良くわからないんだが、……プラネタリウムと言うらしい」 「ぷ、プラ!? え、あの、アレだよねー?」 「お前の言うアレと言うのは良くわからないが、多分そうだろう」 はプラネタリウムに近づいて、その外観をじっくりと見る。ええー凄い。これって、投影機って言うんだよね……、確か。こんなの、プラネタリウムにあるのしか見たこと無いよ。 近づくとわかる大きさ。ええー、凄いなあ。より大きい……。 「うわー……」と声を出すと、ドイツがの横へと近づいてきて、プラネタリウムを同様見ながら、「でかいだろう……。正直、置き場所に困っている」と溜息混じりにこぼした。 ま、まあ、そうだろうね。デカイし、多分見よう! と思ってスイッチを入れたりしたら最後、かなり電気を使うんじゃないだろうか。ブレーカーとか落ちそうだよね。 プラネタリウムに触ろうとしたけれど、やっぱり止めた。もし触って壊しでもしたらどうしようもない。 そういえば、小さい頃、プラネタリウムを見に行ったことがある。椅子に座りながら天井を見上げて、星とかを見て、星座の解説を聞いたりして……とても楽しかった思い出がある。子供心に、何か残るものがあったのだろう。は、その日から良く星を見上げるようになった。 空に浮かぶ月や星。それらは全て、疲れた心によく効いた。美しくて、何か物悲しい感じがした。 ドイツが、「……見るか?」と声をかけてくる。み、見るって、これを!? え、良いの!? 心の中では嬉しさで踊りながら、ドイツに「え、い、良いの? 本当に? 電力絶対、すごく必要そうだから、絶対お金かかるよ!」と、少々どもりながら問う。すると、ドイツは苦笑を浮かべながら、「その辺の心配は大丈夫だろう。……それに、おまえが見たがっているようだからな」と、言った。 え、どうしよう。嬉しいなあ。「有難う!」とお礼を告げると、ドイツは少々頬を赤くして、ごほん、と咳をした。 その後、「少し待っていろ」と言うと、カーテンを閉め、部屋の電気を消した。その後、何処かへと行き、何かを持ってきたかと思うと、プラネタリウムに光が点いた。 部屋中を埋め尽くす、星。凄く綺麗だ。なんていえばいいのか、良く分からない。 「うわ、うわあ、凄いね!」 「そうだな……、……星座も形作られているな」 「え、星座? どれ?」 「ああ。あそこの星と、そこの星と」 「え、どこ?」 「あれだ」 「え? あれ?」 「違う、その横、右!」 「え、右って、え、ええ?」 ドイツが指で「あれだ!」と言うのだけれど、あれって……どれですか、わからないんだけれど……。 星が好き、って言っても『何月の何時にどこそこの方向に現れる何等星』なんて、そういうの知らないしなあ。もうちょっと星について勉強しておくべきだったのか。 ドイツが「わかったか? あれだからな。ア・レ!」と言う。え、どんどん怒ってきてる? が控えめに「あ、アレ、だよね……」と言いながら星を指差すと、ドイツは暫くの指先を追ったあと、「……そうだ」と言い、説明を続けた。 ドイツの説明は、とても判りやすくて、は楽しんで聞くことが出来た。色々、質問してもドイツはきっちりと答えてくれて、なんだか嬉しかった。 そうして時間が過ぎていって、辺りがどっぷりと暗くなって来ただろう頃、ドイツは「あー……」とか「そう、だな……」と呟きながら、ごほん、と咳をして、「そ、外に出てみないか」と誘った。 外……なんでだ。そう思い、疑問をそのまま口にすると、ドイツは「……そ、外の星も、見ないか、という意味で誘ったんだが」と、若干気まずそうに顔を背ける。 あ、そういう……。 「そっか、うん。良いと思う! 見に行こう、さあレッツゴー!」 「あ、ああ」 そういって、ドイツの手を引っ張って、外へ出た。勿論、プラネタリウムの電源は切ってから。 外に出ると、心地よい風が頬を撫でた。パジャマで来たのだけれど、あんまり寒いなあ、とは感じない。 ドイツが率先して、歩いていく。何やら丘みたいな所へとついたなあ、と思ったら、ドイツが「此処だ」と言い、その場に寝転んだ。ちなみにもう手は離れている。 もドイツの横で寝転んで、空を見上げた。プラネタリウムで見た空とは違う星や月が一面に広がっている。 空をぼうっと見ていると、今さっきドイツに教えてもらった星座を見つけた。なんだか、嬉しい。 「うわ、ねえ、ドイツ! あれって、今さっき教えてもらった星座だよね!」 「ん? ……ああ、そうだな」 「うわー凄いー! 星を見分けることが出来ちゃったよ、これもドイツのお陰だねー。ありがとう、ドイツ!」 「あ、ああ。そこまで喜ばれるとは、思いもしなかったが……」 「いやー、それにしても、ドイツ、教え方上手いよねー。なんか、先生みたいだったよ、先生。 ドイツ先生ー! みたいな、そんな感じ」 「せ、先生って……」 「学校に、ドイツみたいな先生が居たらよかったのに。そしたら、、授業を熱心に受けるよ!」 「そうか」 「ドイツ格好良いからもてるんだろうね、絶対」 「……ん、なっ!」 「で、一杯告白されるんだよ。ドイツ先生ー好きー! 付き合ってー! キャー! 先生は私のものよー! 違うわ、私のものよー! ……っていう、争いが学校のそこかしこで起きるんだよ、少女漫画だと」 「ま、漫画の話か……」 そういいながら、ドイツはから顔を背けた。あれ、怒らせた? え、どうしよう。、空気読んでなかったのか。伝説の空気を読める本を探しにいかなきゃいけないですかね。 そんな事を考えつつ、上半身だけ起こして、「ドイツ?」とドイツの顔を見ようとするが、それは邪魔された。勿論、ドイツによってだ。 「えー、なにー。どうしたの、ドイツ」 「べ、別になんでもない、気にするな」 「どもってますけれど」 「これはその、……しょうがないだろう!」 「何が……。って、え、怒ってるの? ごめん、空気読めなくて」 「……怒ってない」 「えー……、でも、……ごめん」 「謝らなくて良い、本当に怒っていないから」 「本当? 絶対だね」 「ああ」 「なら良かった。、ドイツに嫌われるの、絶対嫌だよー」 知らず笑みが浮かぶのを、は抑えられなかった。ドイツが一瞬、ぴくりと横に向けてしまった体を反応させたのは、多分、見間違いでは無いと思うんだけれど。 上半身を倒して、は空をもう一度仰ぎ見る。 「綺麗だね」 「……ああ、そうだな」 空に浮かぶ満点の星──。は、この時をきっと忘れないだろう、と思った。 (終わり) 今回のオチは主人公が起きちゃってアレレー? な感じではないようにするため、努力しました……! プラネタリウムはドイツ発祥です。一番初めの投影機は1923年のカール・ツァイス社が作った、「ツァイスT型投影機」ですね。1、が機種依存文字ですいません……。 ドイツの性格を掴もうと必死です。ちなみに、オチがありきたりー! 星月夜(ほしづきよ)は、題名が思いつかなかったので……意味としては星の光が月のように明るい夜のことを言います。ほしづくよ、とも読んだり。 (ドイツ視点) 思わず、顔を背けた。頬が赤くなっているのを、見られたくないからだ。 『ドイツ先生、好きー!』という言葉に反応して、こうなったのだとは悟られたくはない。 自分の話ではない、の想像上の話だ。そう思うのだが、頬の熱は中々冷めない。こんなことで赤くなっていて、どうする。想像だぞ、漫画だったら、という話、なのに! (嬉しいと思うなんて、) ──狂っている。が「えー、なに、どうしたのドイツ」と、心配そうに言う。その挙句、俺の顔を覗こうとまでした。俺は体を横に向け、から顔が伺い見られないようにした。 が「怒ってる? ごめん」と謝る。なんで謝るんだ、が謝るところはどこにも無い。そう言葉を出した。少々、ぶっきらぼうになりすぎたかもしれない。が「本当? でも、ごめん」と言葉を続けた。 違う、だから、……怒ってなど、いないのに。 もう一度、否定の言葉を口にすると、は嬉しそうに「なら良かった、、ドイツに嫌われるの絶対、嫌だよー」と言う。 その言葉で、熱がひいていた頬にもう一度熱が上ってきたのは言うまでも無い。 (意味をわかって言っているのか!) 嬉しいのか、怒りたいのか、よくわからない。 (──ただ) がどさっと、丘に寝転がり「綺麗だね」と言う声が聞こえる。 「……ああ」 (俺は、きっと) <終了> 先に続く言葉は妄想でカバアアアア!! 2007/07/06 |