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夢を最近良く見る。極彩色の、桜とか、寺とか鳥居とか。……ちょっと寂れた石段とか、桜の木とか、その木から降る、花びらとかがある空間。 その中をは、ただ歩いていく。夢の中なのに、疲れる。そういう時、は座り込み、周りを見渡す。 素晴らしい、綺麗で美しい世界。誰も居ない、だけの夢の世界。 そう思っていたのは、いつまでだろうか。 <夢> 今日も今日とて、は学校へと続く道を行き、友達と雑談して、家へ帰る。 テスト前なら勉強、別になんにもすることなかったら、ゲームとか、インターネットとかしている。 インターネット上には、素晴らしいオリジナル漫画を載せている人々が、沢山居る。は元々、漫画とかそういうモノを見るのが好きだから、そういうサイトを色々、回っていたりする。 そんなが最近、毎日のように足を運ぶサイトがある。正直、そこにある漫画は全て好きだし、更新されていると、「うひゃー!」とか奇声発してしまう。家族に変な目で見られること山の如しだ。 そのサイトの名前は、キタユメ。は、最近、そのサイトのヘタリアにハマっている。 世界史にはあまり興味が無かった。寧ろ苦手な部類だったのだけれど、ヘタリアを読み始めてから、は世界史大好きっこになってしまった。 自分でも色々調べることが多くなったし、国について、色々な事を知るのは楽しい。 だから、夢の中に、ヘタリアのキャラクターが出てきたときは、本当どうしようかと思った。 何時も通り、布団に横たわって目を瞑ると、直ぐに夢の世界へと入っていく。 何時ものように、美しい風景が広がり、はその世界を満喫しながら歩いていく。 夢だから、朝になったら起きるわけだ。は起きるまで、その辺をブラブラしているだけ。 起きてからも、は夢の事をはっきりと覚えている。その事を友達に話したら、「普通は直ぐに夢って忘れるもんじゃない?」と言われた。うん、確かにそうだと思う。 で、まあ、早く起きないかなーって、は今日もブラブラしていたんだけれど、不意に誰かの歌声が耳をついた。 なんていうか、綺麗な声だ。お、男の子? 女の子? どっちだろう、って思うような、そんな中性的な声って言えば良いのかな。 綺麗な声で紡がれる歌は、聞いた事が無い歌だ。でも、多分、日本の曲だと思う。日本語が聞こえるし。 誘われるように、歌声のする方へと向かう。すると、川原があり、そこで一人、その場に座っている人物を見つけた。 ──後ろからだから、あんまり顔は伺い見られない。 んー……? どんな子なんだろう。なんだか、よりは年下の気がするんだけれど……。 なんとか、その人物を伺い見ようとして、川原に一歩踏み出す。砂利を踏みしめたので、大きな音がたつ。刹那、声が止まって人物が勢い良くこっちを振り向いた。 人物……なんていうか、多分少年、は何の感情を浮かべさせもせず、「……貴方は、誰ですか」と問いかけてくる。 あ、貴方って、のことだよね……。他に人は居ないし、の筈だ。 「は……えっと、です」 「……」 「そう、。え、えーっと? 貴方は?」 躊躇いがちに、問いかける。少年は、の名前を何度か呟いた後、「……日本です」と呟いた。 に、日本? 日本って……え? 思わず言葉を失って、目の前の……日本を、まじまじと見る。 ……日本って日本って、日本だよね。あれ、何、何が言いたいんだろう。の住んでいる国だよね、うん。……え? 疑問符ばかりが頭の中に浮かぶ。日本は、の視線に居心地悪そうに、視線を逸らした。──どうしよう、見れば見るほど。 「……に、日本?」 「そうです」 ヘタリアに出てくる日本にしか見えない。 「……え、えー……。まさか夢だからって、そんな、都合良すぎだよね、うん。夢に見るほどまでにってばヘタリア好きなのか! いや、好きだけれど! というか、今、ナウ! 夢なんだよね、夢! うし、夢ならなんでもしてOK と、言うことで、日本ンンンーーーー!!」 今は夢、だから何しても大丈夫。メチャクチャな理屈だけど、まあ、良いじゃん! 夢なんだし! っていうか夢の中でもヘタリアのキャラクターに会えるってめっちゃくちゃ幸せモンじゃん! この夢を逃せば、もうヘタリアの夢は見ないかもしんないし、の目の前にはチビ日本が居るし! は勢いをつけて日本に抱きついた。 「んぎゃー! やばい可愛いたまんないーー!!」 「ひっ……! ちょ、ちょっと、何をするんですか!」 「んへへへへへ、かーわーいーいー!」 「あのっ! 聞いています!? 離れてください!」 日本がぐいぐいと、を押す。いやいやいや、なんていうか拒絶されると燃えるんですよ……! 怪しい笑い声を発しながら、が日本に頬ずりしていると、頭に鈍い衝撃がきた。え、痛い。思わずうずくまって抱きついていた手を離した。 日本がからパッと離れる。 「ちょ、いた……いんですけれど」 「正当防衛です」 「別に変な事してないじゃん」 「していますよ! 先刻の行動を振り返ってください!」 「えー、スキンシップ?」 「……? ……初対面に抱きつくなんて、そんな不埒な事、普通はしませんよ!」 「……えっと……」 「謝ってください!」 「ええっ!?」 「もしくは責任を取ってください!」 「せ、責任……って……」 「言わせる気ですか」 「えっ、いや、あの……」 なんだろう、なんなんだろう、この夢。夢なのに痛みがある、っていうのは……まあ、なんか夢でも時折痛みを感じるらしいから、良いとして。普通、夢って見ている人間に都合よく出来ているものじゃ無いの? 普通の夢だったらさ、日本に抱きついても日本は抵抗しないはず、だよね……。もしかして、は夢の中でツンデレを期待しているのか。いや、でもツンデレと拒否は違うよね。盛大に頭殴られたんだけれど。凄く痛いんだけれど。絶対たんこぶできてる。 頭をさすりながら、立ち上がる。日本が肩をびくっとさせて、盛大にから離れた。え、めちゃくちゃ嫌われてる? 「あ、あの……なんか、なんていうか……すいません?」 「なんで疑問符が付くんですかっ」 「だ、だって……これって、の──」 『夢だし……』。そう言葉を紡ごうとしたのだけれど、それは声にならなかった。 耳に入ってくる、ちゅんちゅんと囀るすずめの声。は目を開ける。視界にはいつもの天井。 …頭が良く働かないけれど、なんだか起きたみたいだ。夢から。 上半身を起こして、頭をぼりぼりと掻く。 なんなんだろう、あの夢。なんか、色々と大変だったし、日本に嫌われちゃったっぽいし、もう見たくないなー……。 っていうか、夢ってほんと、普通は自分に都合よく出来ているはずなのに……。 は、ベッドから出て、リビングへと向かった。 お母さんが、を見て、「あら、早いわね」と驚いたように声を漏らす。 「……ちょっと、なんか変な夢見て起きた」と言葉を返して、はパンをトースターの中へ入れ、焼いている間に制服に着替えた。 いつもと同じように、朝食を食べ終えて、いつもと同じ時間に家を出て学校へ向かう。 そうして、また、いつもの日常が始まった──。 日本は、目を見開いて、驚いた。 目の前で、少女が。 「消え、た……」 さらさらと、涼しい音を出して流れる水。 川原の周りに生えている竹や色々な種類の木。 いつもと同じ風景だった。 ──あの、少女が来るまでは。 日本は呆然と、少女が消えた場所を凝視していた。 →続く ヘタリア大好きです愛してます。 |