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「……あ、こんにちは、さん」 「…………こんにちはー」 <三度目の夢> 日本が、目の前に急に現れたを見て、驚いたような表情を浮かべたものの、すぐにいつもの表情へと戻り、言葉を紡いだ。三回目なので慣れたのだろう。 こんにちは……かあ。一応、寝る前は夜だったんだけれどね……。なんか変な気分だ。 そんな事を考えながら、日本の顔を見る。三回目、三回目だよ、こんな夢見るの。普通ありえんだろう。しかも、パジャマだし! 今気付いたけれど裸足だし! 砂利の上なのに、あんまり痛くないのはやっぱり夢だからだろうか。 日本が「……さん、」と言いながら、の足に目を落とす。うん、裸足ですけれど。何か。 「その、草履などは……」 「草履? 草履は……無いよ、ってか家に帰ったら履くモノがあるはずなんだけれどさー」 「家……? 近く……ではありませんよね、遠いですよね」 「うん、多分」 「ええと……、痛くありませんか?」 「え? ああ、うん、大丈夫。痛くないよ」 「……ですけれど、……ちょっと、待っていてくださいね」 「え、ちょっ、日本?」 日本は、すまなさそうににお辞儀した後、踵を返して何処かへと駆けて行ってしまった。 え……、なに、一体。これは何のイベントだ。も、もしや、日本はのために草履を取りに行ったのでは! の裸足見てから、駆けて行った訳だし、ちょっと待っていてください、とか言っていたし。 じ、自意識過剰、すぎ? かな、いや、でも……。 そんな事を考えてうんぬん唸っていると、の後ろの竹がガサゴソと音を経て、日本が出てきた。 手には、二足の草履を持って。 ぜえはあと、荒い息を吐きながら、「こ、これをどうぞ……」と言い、に差し出す。 色々突っ込みたいところはあるんだけれど、一つだけ聞きたい。前から行ったのに何で後ろから出てきたんですか。 その言葉をぐっと飲み込み、は口を開いた。 「え……良かったのに……」 「いえ、私が良くないんです。裸足で砂利の上に立つなんて、なんか見ているだけで嫌じゃないですか」 「あ、そうですか……」 「ですので」 日本は、が草履を取るのを待っているようで、差し出したポーズで停止中だ。……まあ、人の好意は無碍にしちゃいけないよね。第一、日本がの為に急いで取ってきてくれた草履だよ、受け取らずにいるべきか! は日本の手から草履を受け取り、「ありがとうね」と感謝を述べてから、履いた。 ……うん、履いたまでは良かったけれど、正直、この草履でかすぎないか。 日本は少し気まずそうにから視線を逸らしつつ、「その、一応、一番大きいのを持ってきたんですけれど……大きすぎましたね」と、すまなさそうに呟く。 いやいやいや、君がすまなさそうにする理由は何処にもないんだよ! キツかったらアレだし、考えて持ってきてくれたのが分かるしね! 寧ろ、めっちゃ嬉しいよ。 そんな事を言うと、日本は驚いたように目を少しだけ見開いて、そのあと、「ありがとうございます……」と、微笑んだ。 か、可愛いなあ……。ありがとうございます、って、の方がありがとうございますだっつーの! 頭を撫でたくなる衝動を抑えて、日本に「いやいやいや、の方が有難うだよー。何で日本がお礼?」と言う。自然に頬が緩んでしまうのはしょうがない。 日本が「それもそうですね……」と言いながら、苦笑を浮かべる。あああ、どうしよう、なんというか良い子だ、この子は。 は手を伸ばして、日本の頭を撫でた。日本は驚いたような表情を浮かべたけれど、又もや苦笑を浮かべて、 「……さんは、頭を撫でるのが好きですね」 「え、いや、何となく……、ごめん、嫌ならやめるよ」 「……」 日本が思索するようにして、顔を下に向ける。は、頭を撫でていた手を止めて、日本の頭から離した。 数分たったくらいかな。日本がに、いつもの無表情な顔を向けて、 「私は、嫌──」 「ー!!? 早く起きなさい!」 ……は目を開ける。視界の先には見慣れた天井だ。……正直、なんであんな良いところで起こしてくれたんだろう。憎む。母を。 二度寝を決行してやろうか、とか思ったけれど、その考えは時計の指す時間を見て、すぐさま無しということになった。 しょうがなく、むくりと起き上がり、は欠伸をひとつこぼして、リビングへと向かった。 続く。 正直、主人公、原作既知な訳だしもっと変な風になっても良いと思う。 2007/06/22 |