|
「ま、政宗さん……」 「よう、どうしたどうした、変な顔しやがって」 「いや…なんていうか…なんていえば良いのやら」 ![]() 空は青く、雲ひとつない晴天だ。じりじりと焼け付くような日差しが降り注いでいる。 暑いって。暑いんですけれど。そんなに頑張らなくて良いよ、お天道さまー! こんな暑い日。外にはあまり人が出ていない。そりゃそうだ。 暑いのに好き好んで外に出る人、ってあんまり居ないだろうし。だって出たくない。 今日はあんまり人、こないだろうな。と想っていたら案の定。 茶店に来る人も、当然のごとく少なかった。 あーそりゃそうだよなー。とかぼんやり考えていたら、声をかけられた。 聞いたことのある声。多分、政宗さんだ。声がした方向に視線を向けると、やっぱりそこには政宗さんが立っていた。 「うわー…」 「?What?どうした」 「いや、二日連続で来てくれるなんて。今までは七日に一度とか…そういう具合だったから、 少し驚いただけですよ、はい」 そういうと、政宗さんは少しバツの悪そうな表情を見せて、「…驚く…か」と呟くように言った。 え?なに、変な事言った?いや、嬉しいなーって気持ちを伝えようと想って、 言った言葉が、政宗さんの心に突き刺さったんですか。そうなんですか! 気まずい雰囲気が立ち上る中、焦りながら、声を出した。 「え、ええと…」 「…ん?」 「えーっと…あ、そうだ。…昨日の団子代、貰ってませんよー?」 我ながら何言っているんだろうと思う。もっと、もっとさあ、この場を明るく出来る良い言葉とか!無いのか。 政宗さんが唖然とした表情を浮かべている。 一つ間が空いた。 「…お、まえ…何言い出すかと思ったら、それかよ…」 「…え、ええっと、なんていうか…はい」 が途切れ途切れにそう言うと、政宗さんが苦笑を漏らしながら財布みたいなものを取り出し、 ほらよと、お金を投げつけてきた。 「はい!?なんで投げつける必要があるんですか!」 「AH…、なんとなく?」 「なんとなくで投げつけられたらなんかもう泣きたくなるんですけれど!」 そう言いつつ、投げつけられたお金を拾う。 なんだこの人は。酷い。酷すぎる。 ぶつぶつ心の中で愚痴を言いつつ、最後のお金を拾ったとき、手にヌルッとした感触が。 は?なにこの粘り気。手の方を見ると、お金を掴んでいる指に、赤い液体がついていた。 「……え?」 思わず指の先を凝視してしまう。 指についている、赤い液体…これはきっと、血だ。 から出たものではない。ということは、この、血は。 「どぅえええええええーーーー!!!?」 「!?な、なんだよッ!?」 「血、ちちちち血ィィィーーー!!」 「は?血?」 の血じゃ無いって事は、政宗さんの血な訳だ。 政宗さんに向かって指先を見せるように差し出す。 一瞬、暗い表情が見えたのは、きっと間違いじゃないだろう。 「…AH…、……」 「…これ、この血って政宗さんから貰ったお金に付いていたんですけど! え?あれ、という事は政宗さんが怪我しているんですか…っ!?」 少々の血だけど、怪我していることには変わりないのだろう。 政宗さんに近づいて、「手当てしますから…手、出してください」と言う。 政宗さんはなんだか少しためらった後、「……怪我なんかしてねぇ」と言葉を返してきた。 「でも…、血が」 「俺…のじゃ無い。多分」 「だったら誰のですか」 「…I do not understand.」 「…はい?」 「…わから、ない」 そういって、政宗さんはが近寄った分だけ退いた。 なんですか。よくわからんのですが。 「なんで逃げるんですか」 「…そ、れは…。 …俺にも色々とあるんだよッ、You see!?」 「はい!?何言っているんですか。わかる言葉で話して下さいー!」 そういって、政宗さんに無理して近寄ろうとした。その時。 「─── 近寄るな!」 「…へ?」 ぽかん、としたような表情で政宗さんを見やる。 怖い顔だ。なんだ。は怒られるようなことをしたのか。 一瞬、身体が震えたんですけれど。 夏なのに涼しい風が吹いた。 政宗さんが怖そうな表情を、なんだか哀しそうな表情に変えて、小さく呟いた。 「…Sorry, 気にするな」 「…あ、は、はあ…」 唖然とした表情で居ると、政宗さんが「……悪い、じゃあな」と言って、 その場から踵を返して戻っていってしまった。 うわー、うわ。怒らせた?ちょっと…というか、もしかしなくても危ない?。 でも、気になった。 ── 怪我をしているんだと、思った。 要らぬお世話だったのかなあ。今度からは気をつけよう。うん。 風が、吹く。日差しの暑さを拭い去るような、強い風が。 (続く) なんだコレは。ホラーですか。(え?)いや、どこらへんがだよ!みたいな感じですけれど。 展開速いなあ、と自分でも思う。時間があったら書き直したいです。 2006.8.9 |