ラビがこの頃、目を合わせてくれない。
話そうとしたら、逃げてしまう。

話したいのに。
凄く、凄く。





目があわせられない。





「リナリー酷いんだよ、ラビが!
 このごろ、目を合わせても昔みたいに寄ってきてくれないしっ!」


「……」


「それにそれに、から近づいて話しかけても、生返事しか返してこないし!
 もう、有り得ないよっ!ね、リナリーそう思わない?」


「…えーっと、私は…。そうねえ…。うーん…。」


「…リナリー。」


「っ、えっと…、ラビに聞いてみたら?
 私に聞いても仕方ないわよ?」


「…聞いたよ。でも…
 『え、あ、アハハハハ!!』とか言って、逃げられたんだよね…。」


「…それは─…照れ隠しじゃないの?」


「…照れ隠し?あはは、有り得ない、って。うん。」


「えー、ありえるわよっ?
 だって、ラビ、この頃、の方ばっか見てるじゃないっ!」


「…リナリー、お世辞言っても何もでないよー?」


「お世辞じゃないわよ、本当。」





リナリーは、カップに紅茶を注ぎながら、言う。
此処は、教団のリナリーの部屋。
がリナリーに「リナリー」と言って、助けを求めたら、「あら、どうしたの?」と言い、快く受け止めてくれた。

椅子にを座らせて、紅茶を淹れて、クッキーを出してくれた。

は、クッキーをかじりながら、言葉を続けた。





「…だってさー、ラビ、恋したら直ぐに『ストライクゾーン直撃!』とか、言ってるじゃん。」


「…それは、一目ぼれだけでしょ?」


「うーん…。まあ、には関係ないけど。
 …あーあ、聞いてみるね。もう一度、だけ。リナリー、有難う!」


「ううん、たいしたこと無いわよ?
 又、悩みがあったら、来てね。聞くぐらいなら、出来るから…。」


「リナリーっ!も、最高っ!有難うー!大好きー!」


「うふふ、私もの事、大好きよ。」





リナリーの部屋を後にし、ラビの部屋の方へと歩いた。
時々、迷うことはあるけれど、前ほどではなくなってきた。

…っていうか、こんなデカイ教団、迷わないほうが有り得ないと思う。
まあ、迷わない人も、居るけれど。…何年も教団に居る人とか。
はまだ一ヶ月!一ヶ月しか居ないんですよ!?そんな、迷路のような教団内、迷わないほうが…!





「…あれ…。
 此処、何処?え?迷ったの?
 嘘ー…。」





…何故に迷う。
わからん。どうしてだろうか。
っていうか、って歩くたびに変な所に行ってる気がする。

…女性は方向音痴だからね!昔、そんな事を聞いたような気がするしね!

はぁ、と小さなため息をつく。
何でこうも、上手く行かないのだろう。全て。

あーあ、ラビに避けられるし、教団では迷うし。
、何か今日運悪いなー…。

又、小さくはぁ、とため息をついた。
その後、歩き出そうとして、一歩踏み出したとき、後ろから声がかけられた。





「っ、え、っ?」


「…ラビ?」





みしった声が聞こえ、後ろに振り向くと、やはり其処にはラビが。
を見て、驚いたような表情をし、寄ってきた。





、どうして此処にいるさ!?」


「え、何?駄目なの?此処に居ちゃ。」


「…っ、違う、けど…。
 只、すっげぇの部屋から離れてるのに、何でこんな所に居るのかな、って思って…。」


「…んー、そう、ラビに話しが…。
 そう!ラビ!!」





ラビの手をしっかりと掴む。
今度は途中で逃げられないように。

目をしっかりと見据えて、言葉を選び、発した。





「…なんで、この頃、の事、無視するの?」


「っ、無視なんかしてないさ!」


「だったら、何でこの前、声かけた時、逃げだしたの?
 の事、避けてない?」


「そ、それは─…。」


「それは?」


「…えっと、その─…
 うう、本当はもっと、ちゃんとした所で言いたかったさー…。」


「…?」


「一度しか言わないさっ!
 俺、の事、好き、大好きさーっ!」


「…へ?」


「へ?、じゃ無いさぁぁぁっ!!
 も、俺、俺…っこの頃の事ばっか考えてて、死にそうだったさー…っ!」


「…死にそう、って…。」


「目ぇ合わせても恥ずかしかったさ!
 だから、逃げたんさ─…っ!でも、其れがにとって、悲しい事だったなんて…っ!
 うう、俺、馬鹿さーっっ!」


「ラ、ラビ?」


「…ごめん、っ」


「あ、もう良いよ。理由も聞けたし。気にしてない。」


「……あんさ、
 その…、返事、は……。」





ラビが少し、おずおずと、そう聞いてきた。
…返事。返事…。って。その、好きかどうか、って事だよね。

…ラビの事はきっと好きだろう。
話せなかった時、凄く悲しかったし。

…どうなんだろう?はラビが好きなんだろうか。
分からない。





「…えっと…あのさ、まだ、わかんないんだよ…」


「…わかんない…?」


「そう、ラビと会えなかったことは悲しかったし、話せなくて心も痛かった。
 けれど、これが恋、って事はわかんないんだよね…。」


「…そう…かー…。」


「でも、ラビの事は好きだと思う、思うからっ!
 まだ、その…、恋人同士じゃなくて、友達で、居て欲しい。
 何時か、きっと近い内に、返事、絶対に返すから。」


「…わかったさ!
 それまで、待つさ!俺。」


「うん、ラビ、有難う!
 ごめんね…、直ぐに返事出せなくて…。」


「良いさ、良いさっ!
 俺、そんな事より、に少しでも好意を持ってもらってる、って事が嬉しいんさっ!」


「…ラビ…」


「だから、そんな焦んなくてもだいじょーぶっ!
 俺は、何時までも、の答え、待ってるからっ!」


「有難う、ラビ…。」


「んじゃっ、帰るさっ。の部屋に。」





そういって、ラビは笑顔で手を差し出してきた。
は其れを握り、二人で、廊下を歩いていった。

何だか、ラビの手が、異常に暖かくなっていくような気がした。
それが少し嬉しくて、何だか微笑んでしまった。


何時か、何時か。
自分の気持ちに気づいたら、ラビに言うから。

それまで、待っててね。



窓から溢れ出るような赤い夕日の光りは、
ラビの姿を綺麗にオレンジ色に染めていた。



(終わり。)

キリ番1515番を踏んでくださった百夜様のリクエストで、甘酸っぱい感じのラビ夢、でしたが…。
どうでしたでしょうか?頑張って目指したのですが…。何だか甘酸っぱくないですね;
期待に沿えなくて、本当にすいませんです;
私にとって、甘酸っぱい小説は、青春とかそういう類になるようです。

拙い文ですが、愛はこめました!
宜しければ楽しんでくださると嬉しいです、ハイ。
それでは、本当に有難う御座いましたー!!

2005.9.3