手のひらから伝わる、君のやさしさ





「あー。あつい、アツイ、暑い!!」


「そんなに暑くねぇよ、馬鹿。」


「神田、何でそんなに着てるのに暑くないの?有り得ないよ。」


「……。」





教団内の食堂で、神田に愚痴っていると、神田は少しうざそうに顔を歪めた。
…酷いよ、神田…。暑い、って事をキミにも知ってほしいだけなのに!
こんなに暑いのに、何で神田は暑そうな教団服を着ているんだ!!脱げ!脱がすぞ。

そんな事を少し考えていると、神田が何かを手渡してきた。





「…これ…うちわ?」


「…。やるから、勝手に扇いでろ。」


「え、うわっ。神田、優しいっ!有難う。」





そう言いながら、神田の手からうちわを受け取る。
受け取る時に、神田の手に少しだけ、触れてしまった。

少し、冷たかった。


は、うちわを勢い良く扇ぎ始めた。
涼しい風が来て、気持ち良い。
調子に乗って神田にも扇いであげてたら、自分が疲れる上に、暑くなってきた。

また、自分に向かってうちわを扇ぐ。





「…あー、涼しい。」


「…。」


「神田、有難う。涼しいよ、うちわー。」


「良かったな。」


「うんうん。それもこれも神田のお陰!神田有難うっ!」





言いながら、まだまだ、うちわを扇ぐ。
ふと、神田の手の冷たさを思い出し、神田の手を取ると、
神田は少し驚いたように、身体をビクリとさせた。





「!?な、何だよ!!」


「や、ほら。神田の手のひら、冷たいから。
 気持ち良いなー、って…思ったり…。」


「…つ、冷たくて悪かったなッ!」


「悪くないよ、暑い時には最適。
 それに、ほら。手のひらが冷たい人は、心が暖かいんだよ。
 だから、神田は心が暖かい…優しいんだね。」





がそう言うと、神田は少し照れたように顔を赤くして、そっぽを向いてしまった。
その後、小さく「優しくなんか、ねぇよ…。」と言ったのが聞こえた。


ねえ、でも。
神田の手を掴んでいる、この手を振りほどかない神田は、
優しいんじゃないかな、と思った。




(そう、優しさって目に見えないものだから。)


(思いつきで書きました。はい。
 手のひら〜…のヤツはずっと前から書きたかったので、かけて嬉しいです。本望です。
 神田は優しいと思います!実はアレンの事を気にしてたりしそうな。だと、良いな…!!
 お題は、Rubbish様から。有難う御座いました!
 2005.8.27)