Act18.幸せが訪れるように





殿ー。」





幸村が、の方を向いて、嬉しそうに言葉を発する。





「なーに、どしたの?」


「某、それがし・・・っ、この、ミサンガと言うものを作ってみたいでござる・・・!!」


「・・・・ミサンガ??」




がそう訊くと、幸村は「そう!そうでござる!!」と、頭をブンブンと縦に頷かせた。
勢いが強い。風が来る。あー涼しい・・・・。

そんな事を思いつつ、記憶の其処からミサンガを、思い出す。
確か、ミサンガと言えば、腕とか足とかにつける、刺繍糸などで作るものだったような。
切れた時に、願いが叶うんだよね。確か。





「だ、駄目でござるか・・・?」


「え?ああ、良いと思うよー。」





が少し黙っていたからなのか、少々心配そうな顔でこちらを見てくる、幸村。
うわあおう、顔が至近距離。ドアップですか。何コレ。何かの陰謀か。を悶死させるための。

幸村を心配させないように、すぐに答える。すると、
今さっきまでの沈んだ顔は何処へ行ったのか。幸村はとても嬉しそうに笑顔を浮かべた。





「じゃ、買いに行こうか。ミサンガを作るための紐ー。
 政宗さんも来る?」


「AH?ミサンガ?何だそれ。」


「ミサンガ、と言うものは、
 なにやら、腕や足につける紐みたいなものでござって、
 それが切れた時、願いが叶うらしいでござるよ!」


「・・・ふうん、なんだ、おもしろそうじゃねぇか。
 俺も混ぜろ。」





そういって、政宗はと幸村の傍に来て。
グイグイと腕を引っ張り、「早く買いに行くぞ。」と、言葉を発した。

何と言うか。今さっきまでテレビ見てたじゃん、この人。
それなのに・・・。
乾いた笑いを浮かべつつ、それでも、政宗がノッてくれた事が嬉しくて、独り嬉しさをかみ締めた。



近くにある手芸屋。
中に入ると、女の人たちが、チラホラと居た。
入ってきた時、女の店員さんが凄く高い声で「いらっしゃいま、せ・・・ッ!!?」と、
言っていたことを、は忘れないと思う。きっと。



うん。その後は凄い視線がもう背中に突き刺さる突き刺さる。
なんだ。コレは。視線のナイフか。痛いですよ、コンチクショウ!

政宗が無言になり、幸村は視線に気付かず、「うわっ、うわあ・・・!」と、
嬉しそうな声をあげていた。


少し歩くと、刺繍糸の売り場についた。は、政宗と幸村に訊いた。





「どれが良い?」


「ん・・・、そうだな・・・。俺はこれが良い。」


「某は、これが良いでござるうー!」





そう言って、二人が手渡してきた紐の色。
それは、青と赤。おお。イメージピッタリ、だなあ。





「なんか、あってるね。」


「そうか?Thank you!」


「そうでござるか?嬉しいでござるよ!」


「じゃ、はこれにしよっかな。」





そういって、も自分の好きな色の紐を取り、
レジへと向かった。政宗が、お会計をしている最中に話しかけてきた。





「・・・なあ。」


「んー?」


「・・・いや、なんでもない。」


「・・・何、かなり気になるのですけれども!」


「・・・・気にするな。O.K?」


「・・・・・・なんというか、この頃はぐらかされてばっかりな気がするよ・・・!!」





何が言いたかったのだろうか。
まあ、人が言いたくないコトを無理に言わせるのも嫌だし。
それ以上の追求はやめておいた。








家へと帰ってきて、さあミサンガを作ろう!と言ったときに、
少しの壁にぶちあたった。そりゃもう。凄い勢いで。

・・・ヤバイ、作り方わからない。





「・・・あ、あのさあ・・・。」


「?なんでござる?」


「なんだよ。」


「その、作り方、わかんない、んだけれど・・・!」





がそういうと、幸村は「大丈夫でござるよ。」と言った。
何が大丈夫なんですか、幸村ー!!!

そんな頭の問いに答えるかのように、幸村は続けた。





「ミサンガ、作り方がてれび、でやっていたでござる!
 某、覚えたでござりまするよっ!作り方。
 だから、大丈夫でござるー!」


「あ、覚えてたんだ?すごいね、幸村さんは。」


「・・・そっ、そんな、凄いなどと・・・ッ!
 ・・ええと、良いでござるよ?」


「・・・へ?何が?」


「無理に、幸村さん、と言われなくても。
 某のことは、幸村とでも、真田とでも。なんとでも呼んでくだされ!」


「えっ・・、いいの?!」





思わず言葉を漏らした。呼んで良いのだろうか。
幸村が「良いでござるよ。某は、自分の名前を敬称なしで呼んで欲しいでござる。」と、
嬉しそうに笑って、言った。

オオオ!ちょっ、幸村から名前を普通に呼んでも良いぜ☆って言われちゃったよ。
嬉しさがこみ上げてくる。頬が緩む。やばいやばい、今此処で頬を緩ませたら駄目だ。うん。





「・・・・じゃあ、今度からそう呼ぶね。」


「はいっ!」


「AH?何二人で和気あいあいとしてるんだよ。」


「へへへへへ!良いでしょう!幸村とラブラブですよ!?」


「ら、らぶらぶ・・・??
 ・・・某たち、仲が良いのでござるよ!伊達殿ッ!」


「・・・へえ・・・。」





政宗が呆れたようにため息とともに、そう漏らした。
なに、何だよ、駄目なんですか!ってか今さっきのため息!ひ、酷いよ・・・っ!

そんな事を思いつつ、少し苦笑を顔に浮かべながら、
ミサンガを作るための紐を取り出して。幸村に作り方を訊いた。





「で、まあ、雑談は此処までにして。
 幸村、どうやってミサンガつくるの?」


「え、ええと、確か・・・・。」




幸村はそう言って、たどたどしくミサンガをあみはじめた。
赤色の刺繍糸を6本に均等に切り、あむ。
と政宗に「こうやるんでござるよ。・・・多分。」と言いつつあんでいたので、
最初は本当にノロノロと、それこそカメの歩みのごとく遅くあんでいたけれども。


もう直ぐ完成!と言う所まで来ると、最初の遅さが嘘のように。凄い速さであんでいた。





「こ、これで良いと思う、でござる・・・よ。」





10分ぐらいたった頃、幸村はきれいな赤いミサンガを手にもっていた。





「Good!良いじゃねぇか!
 作るぞ、!真田!!」


「お、おおおおう・・!?」





政宗が、異様に張り切っている。
張り切りすぎている。何故に。幸村の作った赤いミサンガを見て、何か対抗心でも燃え出したんですか。

そんな事を思いつつ、幸村から指導を受けつつミサンガを作り出す。
政宗が、「Shit!」とか「チッ」とか舌打ちをしているのを覗いては、本当にほのぼのとした光景だと思う。
なにやら政宗は度々間違えるらしく、「それは此処でござるよ」、「ちょっ、順番が・・っ」と、幸村が何度も何度も教えているのが聴こえた。


なんというか、こう、やっぱり間違いを指摘しつつ、ちゃんと教えてあげてる幸村と、それをきいている政宗とか、
かなりホノボノとしてて良いと思った。うん、癒される。マイナスイオン大放出中ですか?





で、
ミサンガを編みつつ、間違えたら幸村に教えてもらいつつ。
なんとか一本、ミサンガを作り上げることが出来た。ヒャッホイ!

政宗もと同じぐらいに作り上げたようで、
出来上がった青い色をしているミサンガを見て、嬉しそうにしていた。





「・・・で、それにしても・・・・・・
 お前、何処にミサンガつける気だ?」


「え???
 えーっと・・まあ、無難なところで、腕につけようかな、と。」


「ふうん・・・。じゃあ、俺がつけてやるよ。」


「・・・・え?い、良いの?」




何コレ、役得か!?ちょっ・・え、嬉しいんですけれども!
政宗にミサンガつけてもらえるなんて、なんて幸せもの。

そう思って、「じゃあお願いしようかな!」と言って、の作ったミサンガを渡した。
政宗は其れを見て、「AH,きれいに出来てるじゃねぇか。」と言いつつ、の腕にミサンガをまきつけるようにして、
結んだ。





「ありがとう、政宗さん。」


「・・・・ああ。
 お礼は良い、からよ、俺にもミサンガを結べ。OK?」


「・・・ミサンガを?」


「Yes!」





そういって、政宗は腕をに向けて出した。おお、白い手!・・じゃなくて。
青いミサンガを受け取り、今さっきのへんたい思考を何処かへと置き去りにして、
は政宗の腕にミサンガを結んだ。





「Thank you!」


「いえいえ、どうも。幸村もつけてあげるよ。ってか結ばさせてくださいお願いします!」


「良いのでござるかっ!?ありがとうございまするーッ!!」





が幸村に向かってそういうと、幸村は嬉しそうに笑顔を浮かべて、
に赤色のミサンガを手渡して、腕を出した。

幸村の腕にミサンガを結び、「これで良いよ!」と言う。
すると、「・・・嬉しいでござるなっ!」と、笑顔を浮かべて言葉を発した。

おおおう、も幸村の笑顔見れて凄く嬉しい!とてつもなく嬉しい!!
一人、喜びをかみ締めつつも、「・・・切れると良いね。」と、幸村に向かって言った。





「そうでござるな。某の願い、叶うといいでござる!」


「そうだね。どんな願いごと、したの?」


「そっ、それはッ・・・、ま、まあ気にしないでくだされぇぇぇ!!」


「・・・な、なんていうか、必死っつーかなんつーか・・・。
う、うん、気にしないよ・・・。うん。」





何を願ったのだろうか。本当に気になる。
政宗に聞こうとしても、「AH,・・・無理、言わない。寧ろお前こそ、何願ったんだよ?」と、
逆に質問されてしまった。すいません、言えません。


まあ、なんにしても、
その願い事、叶うと良いな、と思う。
絶対に叶うか、なんて。そんなこと、わからないし、唯のジンクスだけれど。




「じゃあ、ミサンガ作り終わったし、ちょうど昼だし・・・!!
政宗さーんっ!一緒に御飯作りましょうぜ!」


「ああ!作るか。」


「某も、今日は手伝うでござるー!」


「Stop!お前は来るな!お前、全ての料理をいつのまにか甘味に変えてるじゃねぇか!!
来るな、作るな、座ってテレビでも見てろ!」


「良いではござりませぬかっ!!たかが甘味、されど甘味でござるよ!」


「幸村・・・、言っている意味がよくわからな・・・」






けれども、
それだからこそ、
願ってしまう。叶いますように、と。
ミサンガが切れるまでの時間、なんだかずっとソワソワして、
切れた!って思ったら、なんだか逆に切なく思ってしまって。

なんでそう思うのかわからない。けれども。
出来れば、お願いだから、





「じゃあ、今日は御飯作り終わった後にクッキーとか作ろう!うん!」


「くっきい、でござるか?」


「クッキーか。良いと思うぜ?」





この二人と、後もう少しだけ、
一緒にいれますように、と、願った。






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ミサンガ。小学生の時、かなり流行りました!
作ったのですが。全然切れませんね、アレ!本当、「イツになったら切れるんですか。」とか思ってました。
くそう、この野郎、ミサンガこのやろう!外そうかと思ったよ!けれど其れはなんかミサンガに負けたような感じがするから止めだ!
うん、頑張ってつけてました。今はもうアレです、昔の思い出です。

・・それにしても、何か文章に”アレ”が多いことに気付いた。私はアレリーマンですか。そうなんですか。


2005.5.13