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何時か居なくなってしまう事。 知っていた筈なのに。 Act19.居なくなってから、気づいた存在 朝、すずめの鳴く声で目が覚めた。 んー…、まだまだ、凄く眠い。 窓から、太陽のヒカリが部屋に差し込む。 ううあー、止めて。止めて。ストップ!!ストップだよ、太陽!! 窓から差し込むヒカリに顔を歪めながらも、目を開けた。 目に映るのは、いつもの自分の部屋。 いつも、なら。 政宗か、幸村が起こしに来てくれるのに。 今日は何故か起こしてくれなかった。何故だろう? まあ、政宗達にも、用事があるもんね。 今まで毎日起こされてた方が凄い、のかも知れない。 「おはよー。」 「ああ、おはよう。」 「おはようでござる、殿!」 「…え。ねえ、の見間違い?」 「…?What?何が。」 「身体が…、すけてるよ?」 すけてる。OH!すけてる。 ぼんやり、とだけれど。政宗や幸村の後ろに置いて有るものが見える。 …え、なんで。 まだ回ってない頭ではそれだけしか考えられなかった。 「…ああ! そう、起きた時は全然、透けてなかったんだけどな。 時間が立つ度に、どんどん透けて行ってる…らしい。」 「そうでござる…ッ! 某、もしかしたら、元の、世界に!戻れるかも知れないで御座るー!」 「あー…、元の…世界…。」 元の、世界…。 って、BASARAの、世界、だよね。 幸村は嬉しそうに言ってる。 相当、元の世界に戻れることが嬉しいんだろう。 なんて、言えば良いんだろう。 、何て言えば良いの。 “おめでとう”? 其れが一番良いのかも知れない。 けれど、は、“おめでとう”なんか言えない。 幸村と、政宗が傍から居なくなるんだから。 「…殿?」 「…あー、えっと、よ、良かったね……」 「そうでござる、けれど…。 某は、殿と一緒に、元の世界に行きた……。 ううん、何でも無いでござる。」 「…それにしても、だ。 、このまま透けていくとしたら、俺達は夜には居なくなる。」 「夜、に…」 「そう、元の世界に、戻るんだ。 なあ、…、元の世界に、一緒に─…」 「政宗殿ッ!!!」 「?何だよ」 「こっちへ来るでござるっ!!」 政宗が、言葉を紡いでる最中、幸村が大声で政宗を呼んだ。 その声で、政宗の言葉は遮られて。 政宗は少し怒ったような表情を見せながらも、幸村の傍に行った。 そうか、夜…。 朝、じゃ無くて、良かった、と思った。 まだ、時間がある。 そうだよ、時間が。まだまだ、話せる、のに。 痛い。心が。 話を終えたのだろうか、政宗が幸村から離れて、の傍に来た。 その顔は、暗い。 「?どうしたの、政宗さん。」 「…Ah…、何でもねぇよ。気にすんな。」 「…?うん。」 「それよりも、だ! 何か、話そうぜ?ほら、夜までに、思い出を…作ろう。」 「……うん。そうだね、思い出、作ろう。」 政宗が笑顔を向けてくるので、 も笑顔を向けた。 幸村が「じゃあっ!何するでござる?」と、嬉しそうに聞いてくる。 …透けてる身体で、外に出るのは正直絶対駄目だろうし。 家で、話をする。これが一番良いのでは。 「じゃあ、話そう!」 「話す…、良いぜ。何、話すんだ?」 「じゃあ、政宗さん達の事、話してよ。聞きたい!」 「俺の、事…?」 「某の事…でござるか。」 「そうそう、の事も話すからさ!」 「ふうん…、だったら、話すか。」 そう言って、政宗は話し始めた。 城の事、自分の事、側近の事…。 最近あった事…など。色々。 其れは聞いていても、とても楽しい事ばかりで。 戦の事を、全然話さなかったのは政宗なりの、心遣い、だったのだろうか。 それとも…。 幸村は、お館様の事、佐助の事、 お館様とテレパシー(?)が出来る事、最近有った事、 自分の夢、などを話してくれた。 幸村があまりにも「お館さむわぁぁっ」「お館さまっ」等、連呼していたので。 政宗が最終的に「静かに喋れ」と言い、幸村の頭を軽く叩いていた。 楽しかった。とても。 が自分の事を話す時にはもう、すっかり陽が暮れていた。 当然、政宗達の身体も、透き通って…。 「…っと、そろそろ、消えちまうみてえだな。」 「そうで、ござるね…。」 そう、もうほとんど消えていた。 足は、もう全然見えない。目を凝らしてみても、全然…。 突如、怖くなった。嫌だ、嫌だ。傍に居て欲しい。 欲望が、頭を満たす。 喜べ、喜べ、! 幸村達にとって、元の世界に戻る、と言う事は良い事。 だから、喜べ。顔を、笑わせなきゃ……。 「?…、 大丈夫か?顔色、悪いぞ?」 「…あ、ははっ!大丈夫、完璧!イエーイ!」 「………、本当は…。」 そういって、政宗は少し悲痛な顔をし、を抱きしめた。 身体が透き通っているにも関わらず、温もりが、あった。 「─…政宗、さん…」 「俺は…、傍に…っ…」 政宗は、其処まで言って、言葉を続けなかった。 言葉を、止め、の身体をぎゅ、っと抱きしめてきた。 幸村も、悲しそうな顔をし、の身体を抱きしめてきた。 「…それがし、は…。 殿が笑っていられる場所に…居て欲しいでござる…。」 「…?」 「だから…某は…っ…」 そう言って、幸村もをきつく、抱きしめた。 身体が何故か震えていて。 は自由の利く腕を政宗と幸村の背中に回し、 軽く叩いた。 …泣いて、欲しくない。 だって、本当は凄く泣きたい。 政宗と、幸村が傍から居なくなるのだから。 笑う事、何て本当は全然出来ない筈なのに。 悲しんで、二人を困らせたくないから、笑った。 「…大丈夫…、大丈夫だから。」 「それ、がしはっ…、殿が…、安心して、笑える場所を… 与える事が、出来ないでござるから……ッ」 「…俺も…、出来ない。 だから。」 「……安心して、笑える場所…は。 其れは、にとっての、その場所は─…」 “政宗さんと、幸村の、隣だよ?”と、言おうとした。 けれど、言おうとした瞬間。幸村達は、消えてしまっていた。 すう、っと。音も、無く。 どうしよう。涙が溢れてきた。 胸が、締め付けられるように、痛い。 「、はっ…。政宗達の、隣に…居たかったのに…っ」 届くはずの無い言葉は、 部屋の中で、誰にも聞かれず、消えて行った。 帰って、来たのだろうか。 目を開けると、何処かわからない、所に立っていた。人の声が聞こえる。城下町か何かが近いのだろう。 殿は、居ない。 「……これで、良かった、んでござるよ…」 そう、これで。良かった。良かったんだ。 自分にそう、言い聞かせても。 消える瞬間に見えた、泣きそうな顔が離れない。 「だって…!しょうがなかったんでござるっ!! 某の隣に居たって、某の近くに居たって!安心できる場所なんて、無い!」 「…幸村。」 大声で、そう叫んでいた所を、政宗殿から声がかかった。 イツからいたのだろうか。わからない。 政宗殿は、某を見て、少し悲しそうな顔をした。 「…お前は、これで、良かった、と思うか?」 「…良いと、思うでござる…。 殿の、安心出来る場所は、与えられないでござるよ。某には。」 「でも、俺は……」 「…殿の世界は、某の目から見て、とても平和でござる。 けれど、某の居るこの時代は、人殺しが行われている。戦が、毎日のように、行われている。 死が隣り合わせにある…でござるよ?」 「…」 「そんな世界で、どうして殿が笑えるでござるかっ!!? 恐怖に、歪んだ顔なんか……、見たくないでござる…っ」 そういって、掌を握り締めた。強く、強く。 痛くなんか、無い。 政宗殿は、唇を強く噛んでいた。 悲しみに耐えているのだろう。 来て、欲しくない。それは事実。 でも、心の奥では「来て欲しい!傍に居て欲しい!」と、思っていた。 けれど。殿は来なかった。…否、来れなかった。 そう、何故かは知らないけれど。 某が、「来て欲しくない」と考えたからだろうか。 安心できる場所に、居て欲しい。 其れを考えて「一緒に来て欲しい!」と言う言葉を、言うのを止めた。 幸せに、笑顔に。なれる場所は。 某は与えられないでござるから。 今さっき、あやすように軽く叩かれた背中が、 まだ、殿の温もりが残っているかのように、温かかった。 →NEXT はい、そんな感じでシリアスです。 んー…。どうなんでしょう?シリアスは。 どうなんですか。難しいです。ヒィィ! 続き、どうしましょう…。考えれば考えるだけ変になっていきます。(汗 が、頑張りますが…ッ! それではでは。 2005.9.10 2006.5.15 大幅修正。 2006.5.23 名前変換をちゃんとできるように。 |