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枯れ始めた華を、誰が止めることが出来るのだろうか。 過去に、戻ることも、誰が出来るのだろうか。 過去には戻れない。 散った花弁も、もう元には戻せない。 其れは誰にでも分かっていること。 けれど、願わずには居られないんだ。 Act26.嘘、だと、言って ある日、のんびり縁側に座って外を眺めていたら、物凄い形相で元親が走ってきた。 な、何、何事!? 「ど、どうしたの?元親っ」 「…攻めてきやがった…ッ!」 「…へ?何が」 「…伊達軍が、攻めてきたんだよッ! ……くそッ、油断してた…、直ぐ其処に来ている」 「…え、伊達…軍、が?」 「ああ、そうだ…ッ」 そういって、元親は舌打ちをした。 …え、伊達軍、って…政宗、だよね……。 な、何で攻めてきたの…、だって伊達領から此処へ来るには、他のところを制圧しなきゃ、いけないのに。 と、言う事は…戦…になるのだろうか。 そう思うと、体が少し震えた。 怖い、も、死ぬ? 元親と違う方向から、元就が走ってきた。 「元親ッ! 伊達軍が、攻めてきた、と言うのは、本当か?」 「…ああ。」 「…我は、何をすれば、良い?」 「…俺は、戦に行くけれど。 元就には、迷惑かけられねぇからな、そこらへんでじっとして─…」 「…我も、戦に出る。」 元親が、言葉を紡いでいる最中に、元就がきっぱりと、そう言った。 その言葉に、少し元親が驚いたような顔をして、「おいっ、何言ってんだよッ!」と、言い放つ。 元就は、たんたんと言葉を続けた。 「…我は、もう、友達を失いたくない。 此処が危なくなれば、も危なくなるだろう。…もちろん、おぬしもだ。其れを阻止したい。 だから、戦に出させてくれぬか?」 「…だから、俺の領土だから、俺が一人で…!」 「出来ぬだろう? 相手は何万の軍勢を引き連れていると思う? 我も、手伝おう。少しの力にしかならぬと思うが。」 「………いやだ、っつっても、来るだろ? ……ありがとな、だったら…俺は、外を守る。 だから、お前は城の中を守ってくれねぇか。」 「…承知した。 …死ぬなよ。」 「お前こそな!」 そういって、元親は外に向かって走り出した。 は、その背中に「絶対ッ!生きてかえってきて!約束だよ!!」と大声をかけた。 元親が、「絶対死なねぇよ!俺を誰だと心得る!?」と言って来た。 その後、少ししてから元就が小さく「…姫若子…」と呟き、 其れが聞こえたのか元親は立ち止まり怒ったように「姫若子じゃねぇッっつぅの!」と言い、 言葉を続けた。 「鬼ヶ島に鬼たあ、この俺! 長曾我部 元親の事よぉ!」 「…姫若子なのにな。」 「だーッ!元就、水を差すな、水を!」 「…まあ良い、頑張って来い。死ぬな。」 「…わかってる、っつぅの… お前達も死ぬなよッ!」 元親はそういい残して、走り去っていった。 その後姿を見送ると、元就はを何処かの部屋の中に連れて行き、押入れのふすまを開けた。 …何をしろと。元就さん。 そんな事を思っていると、元就が「此処に入れ。」と言って来た。 お、押入れの中に、入れと…!!? そんな事を思いつつ、もそもそと押入れの中に入る。 少し窮屈だ。まあ、布団とか一杯入ってるからね。 「…、絶対に此処から出てはならぬ。 わかったな。」 「…うん。出ない」 「…我が呼びにくるまで、出るな。絶対に、だ。」 元就が何時にもまして真剣な表情でそういう。 はただ、うん、うん、と頷いていた。 少しして、人々の騒ぎ声が聞こえてきたとき、元就は押入れの襖を閉めた。 …タタ、と軽快な足音を立てて、元就は外へ出て行った。 途端、暗闇が怖くなってきた。 目が慣れたけれど、少し、怖い。 体育座りをして、じっと耐えていた。 ああ、そういえば誰かが体育すわりは自己防衛のポーズだ、って言ってたなあ。 そんな事をのんきに考えていた。 ……何時間しただろうか、外から凄い叫び声が聞こえた。 「…え…」 嘘、何、怖い。 果てしなく近くでした。と言う事は、敵が直ぐ傍にいると言う事。 どうして、何で、元親、元就、何処に行ったの。 怖い、止めて。 思わず、耳をふさいだ。 それでも、聞こえる、人々の叫び声。 「…や、やだ……」 怖い、逃げ出したい。 でも、出るな、って言われた。 第一に出たら、殺されるだろうし。 …部屋の襖が開く音がした。 …誰かが、入ってきたのだろう。靴の音がする。 息が、切れていて。 焦っているのだろうか、「っ、はぁ、…ッく」と言う声が聞こえた。 ……え、元就…? 襖を恐る恐る開けると、元就が立っていた。 元就はの顔を見て直ぐ、言葉を早口に発した。 「……、危なくなった。富嶽も支配され、今元親が必死に朱点で戦っている。 だが、苦戦しているようだからな…、此処も危なくなるかもしれぬ。火が、放たれるやも、知れぬ。」 「…あ…う、嘘…」 「嘘では無い、この城ではなく、違う所へ逃げるぞ。 火が放たれては危ないからな…、立てるか?」 そういって、元就はに向かって手を差し出した。 其の手を取り、押入れから出て立ち上がる。 「……えっと、さ。 今…元親…苦戦してるの?」 「……ああ、だが、な。きっとアイツは死なない。 というか、殺しても死なぬ。」 「…おいおい」 「だから、行くぞ。此処より安全な場所に。」 「……うん。」 元就に手を引かれ、部屋から出る。 何処か、あるのだろうか。安全な、場所。 そんな事を少し疑問に思いながら、歩いていく。 …どれだけ歩いただろうか。 お城を出て、外を歩く。 敵兵は今、元親を倒すことに夢中なのだろうか、全然居ない。 …元親、無事だろうか。 そんな事が頭をよぎる。 だって、例えば、伊達軍全員で、朱点を攻めたとする。 …多勢に無勢、すぐ朱点は壊れてしまうだろう。 元親だって、同じ事。 よってたかってボコボコにされて、殺されたりしたら…… 其処まで考えて、体が震えた。 怖い、凄く、嫌だ。 そんな事を思っているのに気づいたのか、元就が、手をギュッ、と少しだけ力をこめて握ってくれた。 まるで、“大丈夫、心配するな”と、言っているかのように。 ある程度、歩いた時、元就が急に止まった。 どうしたのだろうか?そんな事を思っていると、前方向から声が聞こえた。 「Oh…、何だよ、女連れ出して。逃げんのか?」 「…伊達、政宗……」 …政宗……? 政宗が、元就の前に居るらしい。 政宗が、行ってるはずの朱点は、もう壊されたのだろうか… だとしたら、元親。元親が……! 「……そなた、朱点の所へ行ったのでは無かったのか…?」 「Ha!あんなん、俺の部下に任せとけば直ぐすませるんだよ。 それより、俺は。逃げ出す奴が居ないか、と思ってな。 少し城の外で待ってたらこの通り。お前が出てきた。」 「…なんだ、我を殺すのか?」 「そうだな。そうなる。」 元就が、何かを考えているのか、黙った。 を掴んでいた手を外し、武器を手に取る。 戦う、気、なのだろうか。 「殺される、か。 我が殺せると、思うか?お主に。」 「ああ!思うね。」 「我は、日輪の申し子、毛利元就ぞ! …我と、戦う気ならば、それで良い!かかってくれば良かろう。 …だが、……ただし、我の後ろに居る女子には、手を出すな!関係が、無い。」 「女ァ? ああ、良いぜ。俺は勝負を楽しみたいだけだしな。」 政宗がそう言うと同時に、元就が小さく「下がって、いろ。」と言う声が聞こえたような気がした。 は、「…元就、死なないでよ…」と言うと、後ろを向いて下がり、目をつぶった。 後ろから、政宗の楽しさを押し殺したような声が聞こえた。 「…さあ、partyと行くか…ッ!」 「…日輪よ、照覧あれ!」 その声を合図に、地を蹴る音がして、武器がぶつかり合う音がした。 酷く静かなこの場所に、その音はよく響いた。 …そうだよ、戦国時代。 人々が、殺しあいをする時代だよ…! 、何て能天気だったんだろう。 馬鹿、って馬鹿じゃん。何、政宗に会いたい、とか幸村に会いたい、とか思ってんの。 ズサ、と誰かがこける音がした。 「…ッち、てめえ…」 「……本気を出していないから、こうなる。」 どうやらこけたのは政宗の様で、元就が戦況的に勝っているようだった。 元就は今にも政宗に止めを刺そうとしているのだろうか? 目を開けていないから、聴覚に頼るしかない。 でも、だとしたら。 そんな事を思っていると、凄い音がした。 …ブスリ、と言ったら良いのか、わからない。 肉に、刃が刺さる音。 …まさか、元就が、政宗を…ッ!!? そう思った瞬間、元就のうめくような声が聞こえた。 ドサ、っと倒れるような音も。 「…Ha!何でお前なんかに本気出さなきゃいけねぇんだよ。 俺は奥州筆頭、独眼龍伊達政宗、だぜ?」 「…ッ、く、不覚ッ…… 足を…刺すとは…ッ、卑怯…ッ!」 「卑怯も何もねぇだろ。 さあて、悪い子にはお仕置きしねぇとなァ。」 政宗の、少し楽しそうな声が聞こえてくる。 …嘘、嘘と言ってよ。 だって、現代の時に居た、政宗は。 優しくて、温かくて……!何で…、何で。こんな戦いを楽しんでいるような声を出して……!? 嘘、だと、言って…!! そんな事を思っても、現実に政宗は嬉しそうに声を出していて。 元就は苦しそうに声を出していて。 「ッ…我は、殺しても良い…ッ!! 首を持ち帰っても、良い!我の領土も、あげよう。 だが、あの女子には…、絶対に手を出さず、そして、逃げさせてやってくれ……」 「……何言ってやがる」 「…あの女子は、何も関係が無い…!」 「…お前がそう言ってる時点で、関係があるだろうに。 墓穴を掘ったな」 「関係、など無い!!…それに、そなた、戦う前に、女子には手を出さないと…!!!」 「…戦う間は、な。」 「!許さぬ…ッ、あやつに手を出したら、許さぬ!!」 元就の、怒気を含んだような声が聞こえる。 …政宗、本当に性格が変わってしまったような気がする。 一緒に居たときは、あんなにも優しくて… 少ししか、一緒に居なかったけれど、その事が良くわかった。のに。 涙が出るほど、悲しい。 胸が、痛い。怖い。 「…ッ、おぬし、武士だろう!?戦の時は、農民、女子供には、手をだすな、と、 父親に言われなかったのかッ!!? …お願いだ…。お願いだから、あの女子だけは…ッ、殺すな…、逃がしてやってくれ…!」 「……There is no help for it.しょうがねぇ いいぜ、逃がしてやるよ。手も出さない。」 「………ありがたい」 「……その代わり、アンタの首、貰うぜ?」 「…よい、もって行けば良いだろう。」 元就が、投げやりにそう言う。 嘘、でしょう。自分の命は、大切にしなきゃいけないのに。 の命を助ける代わりに、死ぬ? そんな事、許さない。 死なないって約束したじゃん。今さっき。 なのに、直ぐ破るの?許せないよ……ッ! 「じゃあ、貰うぜ、首。」 そういって、政宗が刀を構える音がする。 止めて、止めて、止めてよ……!!! 目を開き、立ち上がった。元就と政宗に向かって走り出す。 政宗は、もう刀を振り下ろす準備をしていた。 「ッや、やめッ!!やめてよぉぉおおお!!!!!!!!」 が、大きな声で叫んだ瞬間、 政宗は刀を振り下ろした。 過去は、過去。未来は未来。 今は、今。 過去にはもう、戻れない。 そう、誰にも。 →NEXT −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 暗い!!!!!!!!!この一言だけしか、申し上げられませぬぅぅぅ!! 元就フィーバー中(?)なので、元就だそう!出すぞ!うっしゃぁ!と思っていたら、 こ、こんな役回りに。ごめんね、元就。(ごめんで済まない) っていうか足刺されたところから、ずっと元就は地面に倒れております。いったー! もう、どうしよう。続き。遅くなるかも知れません。っていうか、遅くなります。 暗いの書いたから、明るいの書きたいです。反動が恐ろしい! っていうか、何かもう!元就ファン様に怒られそうで、恐ろしい!すいません、ごめんなさい!! それではでは。 ちなみに。 英語は反転すれば意味が書いてあります。 ってか、YAHOOで翻訳したのを使っておりますので、 「え、ちょっとちょっと、本当の英語はこんな意味じゃないって!」って感じの時は…、 軽くスルーを…!!!! っていうか、政宗の性格酷い。ひどすぎ。 2006.6.1 大幅修正 |