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Act30.奥州へと向かう船 「うあー!すっごっ!ヤバイって!」 「Ha!そんなに、凄いのか?」 「…もうすぐで、つくのだな、奥州に。」 「へーえ…」 甲板に出て、はるか遠くに見える、政宗の指差す方向を見る。 その方向には、微かだが土地が見えていた。 船に乗って、長い間揺られて。やっと見えてきた土地。 くうう、嬉しい!もう海イヤ。地面大好きだァァァァ!!! そんな事を思って、嬉しさにガッツポーズをしていると、政宗が「何してんだよ、」と、 苦笑を交えてに問いかけてくる。 風邪を、看病した日以来、政宗はに話しかけてくれるようになった。 まあ、それこそ…まあ…うん…。嬉しいけれど。 「え、っと…、ほら、嬉しさを表現してるんだけど」 「…船は嫌いか?」 「え、いや?全然。でもさ、やっぱり地面が恋しくなるときがあるんですよ。うん。 元就もそう思わない?」 「…そうだな、まあ、一応は」 元就はそう言って、の横に歩いてきた。 元就の足は、順調に回復し、今は、何か支える物さえあれば、立って歩けるようになった。 もう、元就が最初に立ったときは嬉しかった。本当に。 嬉しくて「元就が、元就が立った!」と、アルプスの少女風に言ったら、 政宗が五月蝿い、と言って頭を軽く叩いてきた事は忘れない。 まあ、そんなこんなで。 元就は今元親の肩を借りて立っているため、必然的に元親もの近くに来ることになった。 …っていうか。何!?元親×元就!?……ちょっと誰かこの思考回路をどうにかしてください。 「…もう駄目。無理」 「は?何がだよ」 「な、何でも無いっす、政宗さん…」 「ふうん、何でも無いんだな?」 「…う、うん?」 いや、本当は一杯あるんですけど、ね! まあ空想して萌えてしまったことは言わないで置こう。 言ったら袋叩きにされる自信がある。100パーセントの自信がある。 あはは、と乾いた笑いを浮かべていると、元就が「それにしても」と言葉を発した。 「」 「なに?元就」 「奥州に着いたら、我達はどうするのだろうな。 まさかとは思うが一生牢屋に入れられるのは、我は御免こうむりたいぞ」 「Ha!この俺が、牢屋に入れると思うか? お前達には俺の家臣、として!戦ってもらうぜ?Ok?」 「家臣? ………裏切るかも、知れないのにか」 元就がそう言うと、一瞬だけ周りが静かになった。 風で、元就達の髪の毛が、綺麗に流れるように舞う。 …え、いやいやいや、シリアス!?今、シリアス場面か、この野郎! も、もうシリアスはご勘弁です、元就…! そんな事を思いつつ、政宗と元就を交互に見つめていると、 急に政宗が笑いだした。 「ぷ、あはははは、は!」 「な、何が可笑しい!!?」 「お前、もう何も失いたく無いんじゃないのか?」 「…?」 「大切な人、大切な物、全ての物。 この前の戦でほとんど無くしただろう。だからこそ、前に進める」 「…前に進む事と、裏切る事は、関係が無いだろう。」 「いーや、前に進めるって事は、無くした物の重みを背負って行くんだ。 お前は戦で殆どのものを無くした。そうだろ?」 「……」 「だからこそ!戦を早く終わらせるために、俺と一緒に早く天下統一しようぜ? 裏切ったりすると、ずっと戦は続くだろうしな。お前の大切な人…も、居なくなるかも、しれないぜ?」 「………そう、だな…。 …我は、お主に仕えるとしよう、裏切ったりなどは…せぬ」 そういって、元就は政宗の目を真っ直ぐに見ていた。 な、何。と元親は忘れられているのか。そうなのか。 そう思っていると、元親が声を発した。 「俺も、お前に仕えてやるよ! 戦を早く終わらせたいのは、全員同じだしな。 それに、お前の性格…気に入った!」 そういって、元親は笑みを顔に浮かべ、政宗の肩をポン、と軽く叩いた。 政宗はその行為に少し嬉しそうに笑みを浮かべた後、「ああ、よろしくな!」と言った。 な、何か男の友情って良いもんですね…! そんな事を思いつつ、も政宗に向かって言葉を発した。 「も、政宗さんの家臣…っつぅか、まあなんつうか。 …頑張るよ!」 「…Ah…、そうだな、頑張ってもらうか。 …と、言うか、お前にはほとんど俺の傍に居てもらうからな」 「…へ、な、何で!?」 「俺を傷つけた罰。You see?」 「へ、や…謝ったから…許してくれるのでは…、や、まあ良いんですけれども…! っていうか断ったら……うん」 断ったら、きっとヤバイ事になるだろう。 政宗が“ああ!?俺の言う事がきけねぇってか!!?”とか言って、 はきっと貼り付け拷問の刑に…!!そんなの嫌だ。絶対嫌だ。何としても拒否したい。 そう思い、ひきつった笑みを顔に浮かべていた。 政宗は満足そうに嬉しそうに笑い「よし!」と言い、の頭を撫でた。 …ま、政宗に頭撫でられちゃったよ!!ヒイイイイ!!! どうすんの、。どうしよう、、興奮して鼻血が……!!! そんな事を思いつつ、真面目に鼻血が出ないように、鼻を押さえていると、 政宗が「…?何してんだよ」と訊いて来た。 「……色々な物と戦っております」 「…色々な物?」 元就が、首をかしげ、そう訊いて来た。 も、もうイヤぁぁぁぁぁ!!! やめて、の前で萌えるポーズをするな!! そんな事を思いつつ、必死に搾り出すように声を発した。 「だ、大丈夫ですので…!!!」 「本当か…??顔が、凄く赤いぞ。」 元就が、少し心配そうな声でに問う。 大丈夫、大丈夫だから…!!! そんな綺麗な顔をこれ以上に近づけないで下さい、本当にお願いします。 「…、本当に大丈夫か?」 「大丈夫、大丈夫…!!」 「Ha!お前、本当に顔が赤いな」 「…気にしないで…!いや、本当に」 元就が額に手を当ててこようとしたが、それを自分の手で制した。 っていうかね。 頭撫でられているんですよ。政宗に。 それだけでも、萌え要素一杯なのに!!! 元就の白い手を額に当てられたら、死ぬ。 闘死です。色々な物と、戦って死にます。 そんな事を考えていると、元親が、苦笑しながら、言葉を放つ。 「それにしても。奥州はまだなのか?伊達」 「…ん、ああ。そうだな…、後もう少しだと、思うんだけどな。多分」 「多分、とは何だ、多分とは。我は早く地面に足をつけたい!!」 「…大体、後…5刻くらいか?わかんねぇ、俺にも」 「……5刻…」 政宗が答えると、元就は、嫌そうな顔を露骨に表した。 ううん、あと3時間ぐらいで着くと思っていたのだろうか。 うーん、まあ昔の船は遅いからね。しかも揺れるし。はっきり言えば、、今凄く気持ち悪い。 の、乗り物酔い…!!? まあ、吐く!とまでは行かないし、我慢できる領域なので、気にしないで置こう。 と、思っていたのだけれど。 「…あー…。」 「何だよ、どうした、」 「ん、なんでもない、気にしないで、元親ー」 頭痛いし、何か気持ち悪い。 無理、無理だ。こんな揺れる船に乗っていて、みんなは何故気持ち悪くならないのか。 元親は“…顔、青いぞ、大丈夫か?気持ち悪いのか??”と、言い、 の背中を空いている方の手で擦った。 あー、楽。助かる。本当に。 「ありがとう、マシになってきたよ」 「おう、又気持ち悪くなったら言えよ」 元親は、心配そうな顔をして、そう言ってくれるから。 …何!嬉しいんですけれども。本当に!! 「…ああー、もう駄目。死ぬ…!!」 「は!!?死…ッ!!?おまっ」 小さく悦の入った声で零した言葉は、元親の耳にしっかりと届いたようで。 元親は驚いたような表情での肩を掴み、「何言ってんだ!!」と、怒ったように言った。 え、な。何!!?、何かした!!? そんな事を思いつつ、少し焦りながらも言葉を紡ぐ。 「え、ちょッ!!死ぬ、って言うのは物の例えであって!! だから、本当に死ぬ、って訳では無くてですね!!!」 「な、何だよ、例え…ってお前…」 元親は安堵したように、ため息を一つ漏らすと、少し苦笑しながら、言葉を発しようと、したが、 ソレは元就の言葉によって、止められた。 「それにしても…」 「それにしても、元親!」 「………なんだよ、元就。」 「我は、我は……。なんでも無い! 我は疲れた!部屋に運べ」 「……命令口調?」 「…早く運べ」 「……俺がと話していたの、見えてたか?」 「ああ、見えておった。 だから何だ」 「…このオクラこと森の妖精さんが……!!」 「……姫。 おぬしの昔の事を、全て、包み隠さずにに話すぞ」 「すみません、行かせて頂きます」 元就は、「それで良い」と、満足そうに頷き、元親の肩を借りた。 元親は「くっそ…この性悪」と小さく呟き、元就の身体を支えつつ、愚痴をもらしていた。 甲板に残った政宗は、少し苦笑しながらも、「…それにしても、」とに話しかけてきた。 「何、政宗」 「奥州には………やっぱ、何でもねぇ」 「…ハイ?え、言葉途中で切られたら困るんですけれども」 「なんでもない。Do not mind it!」気にするな! 「は、ちょ、何!気になるんですけれど!!」 「Ha!まあ、奥州に着いて少ししたら、分かる」 「本当?」 「ああ、本当だ」 「…なら良いけど…」 何だ、本当に何なんだ。 言葉は最後まで言おうぜ、政宗!と思ったが、まあ、仕方が無い。 奥州は、直ぐ其処。 あともう少しでつくのだから。 奥州には、“何が”あるのだろうか。 その何か、に期待を膨らませながら、は甲板で頬に風を受けていた。 →NEXT −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 船酔いしたことがありました。死ぬかと思いました。あの時の事は一生忘れません。 まあ、乗り物酔いをしたことのない人でも、 多分、昔の乗り物はものすごく揺れた(?)らしいので、 乗り物酔い初体験☆って感じになるかなーとか思いつつ。 アレですね…。何が、は皆様の考えているのと同じです。きっと。 どうしよう。こんな展開、認めませんよ! 読んでいる人が「やっべー、一本取られたよー☆」見たいな感じな夢を書きたいのに。誰か助けて! 良いや。どうしよう、違うの出そうかな。いっそワニでも出してやろうか。 「これが俺の飼ってるワニだ!なんだなんだ、三人とも後ろに下がりやがって。cuteだろうが!」 とか政宗に言わせよっかな! ……すいませんでした。お粗末さま! それではでは。 2006.6.12 |