着いた、着いたよ…!!やっと地面に立つことが出来るってば!
水面…というか船での生活はもう、コリゴリです。無理です。海は好きだけど、もう!

というか、アレだよ。“ああもう駄目ですお城で寝かせてください”的な人を、
連れ出さないで下さい。本当に。





Act31.優しい時間





船に揺られ、揺られて。
やっと奥州につきました。

船から直ぐに下り、足を地面に乗せる。
ああ、もう地面に立っているのが久しぶりで何だか嬉しい。
今まで揺れに揺れてて、もう何かもう無重力してんのか、とか訳わからない事を考えていたからね!

嬉しさで少し顔をほころばせていると、誰かに引っ張られた。
誰だ!の幸せを邪魔するのは!!と思い、引っ張ってきた人が居るであろう方向を睨む。






「…って。ま、政宗さん…!!?」


「ほーお、俺を睨むとは…coolじゃ無いねぇ。」





引っ張ってきた人は、政宗でした☆
やっべー、やっべー、凄くやばくないか。
元就達は、まだ居ない…、というか、船から下りてきてない。

お願いします。早く下りて来てください!元親、元就ィィィィ!!!
そんな必死な願いも空しく届かず。元就達は降りてこない。

何だよ、荷造りでもしてるのか!!

目の前には、怒っている筈なのに笑顔の政宗が立っている。
どうしよう、逃げるか。・・・・・・や、でも直ぐ追いつかれるよね・・・・・・。

ああもう、こんな時100Mを音速で走れる女だったなら・・・!!





「聞いてるのか、さん」


「はッ!?ちょ、さん……!!?
 え、なに急に。どうしたの。何か変な事でもありましたか」





政宗が、の事を『さん』付けで呼んだのなんてはじめてだ。
うわあ貴重な体験……!そう思って口走った言葉が、なにやら政宗のお怒りに触れたようで。

なんですかコレは。なにかの仕打ちか。
本当もう、どうしよう。逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、!!
というか、良い加減、下りて来いよ!!何やってるんだよ、元親に元就!!

君達は、地面に足をつける事を心待ちにしていたのでは無いのかァァァァ!!





「あ、あの・・・なんというか、すいません・・・」


「・・・本当に、すいません、って思ってるのか?」


え``
 そ、それは・・・まあ、にんともかんとも」


「お前、普通、嘘でも“ああ、はい思ってます”とか言わないのか?」


「や、なんつうか。否が有るのは、・・・ですかね?」





寧ろ、急に引っ張ってきた政宗が悪いのでは無いのだろうか。
普通、“ひっぱるよー”等、言ってから引っ張るのでは無いだろうか。

いや、まあ、そんな人居るわけ無いけれど。

自分で一人突っ込みをし、空しくなっていると、又引っ張られた。
今度は手の近くにある裾を。





「…ハイ?何ですか」


「良い、行くぞ。」


「へ、な、何を、って・・・!!!」


「ついてこい」


「ついてこい、って!元親と元就は!!?」


「…勝手についてくるだろ、知るか。


「え、何、微妙に責任放置か」





が、どれだけ頑張って突っ込んでも、もう政宗は言葉を返してくれなかった。
何、何がしたいんだ、政宗は。


どれだけ歩いただろうか、一軒のお茶屋さんの所についた。

な、何がしたいんだ、伊達!
っていうか、お茶屋さんって。伊達は甘い物がすきなのか、そうなのか。
それとも、“茶ァ飲むんだ、付き合えよ!”的なノリで此処につれてこられたのか、は。

そんな事を思っていると、政宗がそこらへんにあった、長椅子みたいな物に座り、
茶屋の主人であろう、女の人に団子を、何個か頼んでいた。

何分かして、団子を女の人が持ってきて、
政宗に渡してから「ごゆっくりどうぞ」と言うと、又茶屋の中に戻ってしまった。





「・・・はい、。」


「へ?」





政宗は、持っている団子を、に二個、渡してきた。
呆然とした表情をしていると、政宗が「お前、変な顔してんじゃねぇよ」と言って来た。
うううう、うるせぇやい!は今少し驚いてるんですよ、政宗!

そんな事を思いつつ、おそるおそる訊いて見た。





「…な、なにこれ、食べて良いんですか」


「ああ」


「…うっそ…!」


「嘘じゃ無ェ。要らないなら、俺が食べる」


「あ、や、要ります!必要、必要!!」





団子を取られそうになるが、ソレを頑張ってかわしてから、
一つだけ、口に団子を含んだ。
うああ、美味しい。やっぱり、控えめな甘さ、って良いね!






「あー、美味しい・・・!!」


「・・・そんなに美味しいか?」


「うんうん、凄く美味しい!ああー、もうダメだ・・・!」


「・・・・」





何でこんなに美味しいんだ!
どうしよう、美味しい以外に言葉が出てこない。

というか、頬がにやけてくる。





「あーもう、ダメだ・・・」





「んー?」


「お前、凄く幸せそうに食べるな・・・」


「んー、そうかな?」





一個目の団子を食べ終えて、もう一個目の団子にも手を出す。
味わうように、少し食べる。うう、美味しい!本当に!もって帰りたい。

と、幸せに浸っていると、政宗が声をかけてきた。





「元気、出たな」


「…へ?」


「何でも無え」


「え?いや、…ハイ?な、なんでもないって…、いや、良いけどさ…。
 ね、政宗さん。」


「…What?」


「ありがとう」


「・・・・・・・ああ。」





政宗は、そう言って、少し嬉しそうに微笑んだ。
ほ、微笑む…って最強では無いだろうか。
というか、今さっきの政宗の笑顔、の心にクリーンヒットだ。

RPG風に言うとしたならば。
政宗の微笑み攻撃!に999のダメージ!は瀕死に陥った!
・・・という感じだ。誰かキズ薬を!

そう思っていると、横で「ぷっ」と、噴出すような声が聞こえた。
横を見てみると、政宗が「おまっ・・・面白いな」と、言って、少し笑っていた。

何が面白いのだろうか。何、頭の中の妄想を知られたのだろうか!
そ、それはヤバイ!本当にヤヴァイ!!こんな妄想、知られた日には、生きていけない!

冷や汗が、背中を伝うのがわかる。
少し、焦りながら、政宗に向かって問う。





「あの、さ、その、面白いってどういう意味ッスか……!」


「ん?
 Ah,お前、表情がコロコロ変わって、面白いって言う意味だ」


「・・・へ」


「だから、見ていて飽きない」





そういって、政宗は又、嬉しそうに笑った。




茶屋の傍。長いすの上。
風で髪が流れるように舞う。

美味しい団子と、隣には、優しい人。

優しい、時間。



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アレだ。私的にホノボノを目指したのに、なー。ウフフアハハ!!(笑)
うーん、解説をば。
政宗さんは、“元気が無いさんを、何とか元気にしよう!”と思い、
“ああ、そうだ!疲れたときには、甘い物。ってな!”と思いつき、
強引にも茶屋に誘ったのです。
アレですね。解説しなければわからないという悲しさ。

あー、どうしよう。小話も書こう、と思ったのです、が!
無理でした・・・又何時か、機会があればブログか何処かにて発表します。ウフフアハハ。

それではでは!!

2006.6.17