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空は青い。とてもとても。 雲は白い。形をかたどって、今日も空を流れていく。 は、………何なのだろう。 Act41.まだ頑張ろう 政宗が何だか泣きそうな瞳を此方に向けてくる。 なんでだ。 は、又、人を悲しませるようなことをしたのかもしれない。 感情を無くすな。そういわれた。けれど、どう返す事も出来なかった。 なんて返せば良い?なんて返せば、── 満足してくれる。 人の気持ちなんて、良くわかんない。 人の気持ちは、絶え間なく変わっていく。ずっと、ずっと。 政宗の頬を一筋、涙が伝った。 えええ何で!!?えっ、涙を流しているのも綺麗だよ…!うひゃーべっぴんさんー! …って、そんなこと考えている場合じゃ無いって! 何で泣いてるんですかーー!?ヒイイ誰か止めて!時間を止めてェェェェ!! 一人焦っていると、政宗が声を出した。 「わかってる」 「…は?」 「お前も、わかってるんだろ?」 「な、にが…」 「自分の事は、自分でかたづけようと。 他人に言っても、どうせ理解されない── そう思ってるんだろ?」 「…そんな事……」 「悲しい、もうイヤだ。なんで、こんな事になる? こんな不幸に遭うのは自分だけ── そう思っているんだろ!?」 そんなこと、思っていない。 は、…は、そんなこと 思ってないよ…。 風が、木々を揺らす。さわさわ。葉が擦れあう音がする。 木漏れ陽は優しい。 風の音も、優しい言葉も、理想も、夢も、全て優しい。 夜は、辛い。 悲しい現実も、氷のような冷たい視線も、厳しい言葉も、全て辛いモノ。 だから人は逃げる。 悲しい現実から、厳しい言葉から。 だけど、逃げていたってしょうがない。そんな事、わかってる。 わかってるよ。 政宗が、を見て、言葉を紡ぐ。 「でも、お前のその選択は甘ったれている以外の何物でも無いんだよ!!」 「あま、ったれてなんか無いよ……」 「頼れる人間が居るんだ。頼れ!」 「……だって」 「だっても何もねェよ! お前にとって、俺や真田…長曾我部、毛利は…頼れる人間じゃ無いのか」 「…頼れるよ。すごく、すごく!けれど、こんな事で頼っても、頼ったって、 何を言ってくれるの!?…頼れるわけが、本当に本心から頼れるわけが無いじゃん! ましてや家族でも無いのに!」 「…だったらお前は一体どうするんだ!ずっと嫌な思いを溜め込んで! 家族でも無い?なんで何かと比べる必要があるんだ!」 政宗が、怒鳴るように言葉を紡ぐ。 だって、居ない。此処には、家族が。 誰の傍に居るよりも、一番安心できる存在が、居ない。 もう、わかんないよ。 嫌な思いを溜め込んで、そして。いつか、壊れていく。 誰か、教えてほしい。どうしたら良いの。どうするのが、一番、良い事なの? 「もう…良い、もう良いよ…。 …う…っ」 「…、…」 視界が、滲んで来る。 あああもう、鼻がグズグズ言う。どうしよう、鼻水出ているところとか見られたら、 もうお嫁に行けない。 政宗が、に向かって手を伸ばしてくる。 それを避けるように、は踵を返して無茶苦茶に走った。 政宗が「ちょ…っ、待て、!」と声を荒げて追いかけてくる。 良いじゃん、放っといてよ。 小十郎さんにとって、嫌いな人が居なくなるし。 ご飯を食べる人が一人だけど減るんだし。いいことだらけじゃんか! 城から出て、城下町へと続く道を走る。 政宗が追いかけてくる。あと、なんか元就や元親、幸村も。 見えないけれど、声が聞こえるから、わかる。 当然だけど、より政宗達の方が足が速いから、じきに追いつかれてしまう。 もう、本当にお願いだから追いかけないで欲しい。 目から涙が止まらない。本当は目によくないのだけれど、目をずっとこすりつつ走っていた。 それだから、なのだろうか。誰かにぶつかった。 思わず後ろに座り込みそうになったが、そこらへんは根性で耐えた。 誰にぶつかったのだろう。とりあえず、頭を下げて「すみません」と言うと、その場から立ち去ろうとした。 が、腕をつかまれたので、その場から立ち去ることが出来なかった。 …はい?誰ですか。本当に。 の逃亡を邪魔しないで下さい。お願いします。 腕を掴んだ人が、声を発する。 「あーあ、泣いちゃってるねえ。 何、失恋でもしたの?あの四人と関係あり?」 「…なっ」 「こーんな可愛い娘、泣かしちゃってさあ。なんてヤツら」 「なにをっ…!?」 「あー、大丈夫、俺がやっつけてやるからさ! アンタは、そこで見守ってなよ」 「…は?え、いや、その…ッ」 腕を掴んできた人を直視する。 長い髪をゆりあげて、ポニーテールのようにして、羽のような物をつけている。 大きな、本当にの身の丈以上ありそうな大きな刀を肩に乗せていた。 小さな猿が、「キキッ」と鳴いて、の肩に乗ってくる。多分、この人のペットだろう。 その様子を見て、手を掴んでいる人が、嬉しそうに言葉を弾ませて、 「おお!やっぱ夢吉もそう思うかー!泣いている女の子は、助けなきゃな…ってな!」と、 笑顔で言う。 …いや、もしかしなくても。 この人って、前田さん家の慶次君ですか。そうなんですか!? その人は、肩に乗せていた刀を手で構えるように持つ。 政宗達が、その人に気付いて、驚いたような表情を浮かべていた。 「命みじかし!人よ、恋せよ…って言うけど、 恋をした女の子を泣かすような無粋なやつには黙っちゃいられねぇなあ!」 「…その言葉は… おぬし、前田慶次ではないか?」 「うんっ?ああ、そういうお前は…確か… 毛利元就だよな!んで、その横の赤いヤツは…げ」 「け、けけ慶次殿ォォォ!!? 某のこと、忘れたとは言わせぬぞ!」 「ん?…うえ…、あっちゃー…、なんでアンタが此処に居るんだよ!」 「それは関係ありませぬ!それより、其処に居る殿を返して頂こう!」 「はんッ、お前達が泣かしたんだろ?なんでそんなヤツらに返す必要があるんだよ!」 「ぬあッ!?殿が、泣いて…!? 某、初耳でござる!殿、泣かないで下されー!! どぉぉぉぬぉぉぉぉうううう」 そういって、幸村は此方に走ってくる。 …両手を広げて。え?何これ。1のオープニングのお館様のように殴れと? いや、無理無理無理無理、絶対無理! ひいい。表情が引きつる。涙が止まってしまった。 なんだか、今は他の意味で涙が出そうだ。もし、幸村に突進されたら。 …複雑骨折は……するよなあ。きっと。 幸村がやってくるだろう衝撃に耐えるため、歯を食いしばる。 が、いつまでたってもその衝撃はやってこなかった。 の目の前で、幸村が慶次の武器によって、野球で打たれた球のごとく、 遠くまで飛ばされていた。のが、見えた。 ホームランです。逆転満塁サヨナラホームラン。いや、そんなこと言ってる場合じゃ無く! 飛ばされた幸村は大丈夫なのか。そんな心配をしていたが、直ぐに幸村は立ち上がったので、 多分大丈夫だと思う。きっと。 幸村は慶次に向かって「某に何をする!!」と怒ったように言葉を発した。 慶次が「いや、…この娘が可哀想だろ」と、呆れたように言葉を発する。 「……HAN!お前、なんで此処まで来た?何かをしに、此処まで来たんだろうが。 それなのに、仮にも客人である真田に手ェ出しといて、良いと思ってるのか?」 「何かをしに、っつー訳でもないけど。敢えて言えば、恋を捜しに? えーっと、…客人、だったのか…悪ィ!」 「…ふざけるな」 「えー、許してくんないの?心狭いなあ。 あ、それよりもさ、城に一泊だけで良いからとまらせてよ。 ちょっと宿が見つかんなくてさ。野宿って訳にも行かないし」 「……。…何を…。 …いい、わかった!だから、を返せ」 「この娘が、帰りたいって言ったら返す」 慶次が、こっちを向いて、「で、どうするの?」と言葉を発する。 …帰りたくない、本当は。けれど、追ってきてくれた。これ以上、手を煩わせてはいけない。 小さく、「…帰る、よ」と呟いた。 それは、慶次にも、他の四人にも聞こえていたようで。 呟いたあと、四人が寄って来て、口々に言葉を呟いた。 「心配したではないか。我を心配させるな」 「頑張る、よ」 「お前よぉ!急に泣きながら走っていったから、焦ったじゃねぇか!」 「ごめん」 「そ、某…っ、殿が泣いていたとは露知らず! あああああッ、め、面目無いでござるぅぅぅーー!」 「あ、いや、その、謝らなくていいから」 幸村、元就、元親が、とても優しい言葉をくれる。 嬉しい、けれど 心が晴れない。 政宗が近寄ってきて、小さな言葉で呟いた。 「」 「…?」 「…言い過ぎた。けれど、謝るつもりは無い。 あれが俺の本心で、本音だ。けれど、泣かすつもりは無かった。 Sorry」 「…む、じゅんしてるよ…、政宗…。 でも、…ごめん…。も、ごめん…。 政宗、有難う」 がなんだか涙を流しそうになっていると、政宗がなんだか苦笑を漏らしていた。 ごめん、ごめんね。頼れないなんて言って。 皆が心配したように、口々に優しい言葉をくれたとき、嬉しかった。 本当に、ごめん。そして、有難う。 涙を誤魔化すように、笑った。 ごめんね、ありがとう。 とてもとても、 しあわせ です。 皆が居てくれるから、すごくすごく、 幸せ。 ありがとう。 心はまだ、晴れないけれど 頑張るよ。 →NEXT −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 少々、だけれど不幸の無限ループから抜け出したかな。わからん。 難しい…、一応、まだ心にしこりを持っていらっしゃるさん。見直したのに、中々良い表現が出ない。 それにしても、慶次。なんか笑えてくる。ああああどうして、どうして、慶次!(何ですか) なんであんな変な格好してやがるんですかヨォォ!! あれ、ペットの名前は夢吉で良いのだっけ? 2006.8.24 |