きっと、それは。







「えー…、えーっと…ま、政宗さんと小十郎さん…戦は?」





目の前に座って、茶をすすり団子を食べている人。
この地域の戦国大名──政宗さんと、小十郎さんだ。

なんで二人共こんな所に居るのだろう。いや、だって…、この前、戦に出かけたばかりだったし。
そんな一日や二日ぐらいで帰って来られるわけが無いだろう。たしか…ほ、本能寺、だったかどっかに
織田信長を攻め入るー!とか言っていた、筈…だ。の記憶が正しければ。

え?何?もしかして急に「やっぱ止めだ!止め!」とか心変わりして帰ってきたのだろうか。
いや、多分…そんな事はないと、想う…けど。


のそんな心の葛藤も露知らず、政宗さんは「HEY!!」と名前を呼んでくる。
へ、へい…って…?どういう意味、だったか。確か意味を教えてもらった覚えがあるんだけれどなあ。
そう想いつつ「何ですかー」と言って、政宗さんの近くに寄る。





「団子」


「…はあ、団子…ですか。お代わりですかー?」


「YES!」





いえす、って確かはいって意味だったよね、うん!

団子のお代わりを裏まで取りに行って、さらに盛り付けて、表へ出て政宗さんに渡した。

は、茶店で働いている。
ある日、政宗さんが、が働いている時にやってきたのが出会いだった。
と、言っても、そんな素敵な出会いでは無かったのだけれど。

というか、最初に出会ったときは領主とか知らなくて、不敬を働いてしまった…ような……!!





「delicious!」


「そうですな、政宗様!」


「…で、でりしゃすぅー?」





が、訳がわからないと言った様子でおうむ返しに言葉を発すると、
政宗さんがこっちを向いて、意味を教えてくれた。





──美味しい、って意味だ」


「美味しい、ですか?…ということは…。
…うわー!有難うございますー!」





言葉の意味を理解してから、褒められたことがわかって。
なんだか嬉しくて頬をゆるませながら、そう返した。すると、政宗さんも、笑顔を見せてくれた。
小十郎さんも、小さくだけど微笑んでくれていた。うわー、嬉しいなあ。

仄々とした雰囲気が漂う中、はもう一度、質問をしようとした。





「……それにしても、あの、本当にいくさ…」


「じゃあ、そろそろ行くか。小十郎」


「そうですな、政宗様」


「…へ?え?なに!あの、の質問は…!?」


「HA!いつか答えてやるよ。See you again!」


「えっ…??」


「実央どの、またな!と言う意味です」


「あ、そうなんですか。これはご丁寧にどうも有難うございます、小十郎さん…じゃなくて!」





そうこうしている内に、政宗さんは遠くに行ってしまったようだ。
小十郎さんが其れに気付いて「…ッ!?ま、政宗さまァァァァー!!背中がガラ空きですぞー!」とか
言いながら、政宗さんを追いかけて走っていく。

何で、答えてくれないんだろう。何かの事情があるのだろうか。
いつか答えてやる、と言っていたけど。気になるんだけどなあ。

……まあ、良い。教えてくれる日を待つことにしよう。
はあ、とため息をついて周りを見渡す。政宗さんと小十郎さんが食べた団子の乗っていた皿が、
置いてあるだけだ。

…あ。今、気付いた。お金、払ってもらってない!
いや、あのさ、こんなコト言うのもなんだけど。お金。払ってくださいよー、ちゃんと…!
…ま、まあ…良いけど…さ。領主様だし、いつかはきっと払ってくれるだろうし。気長に待とう。うん。


片付けている最中にも、やっぱりあの疑問が頭をよぎる。
本当に戦、どうしたのだろうか。行った、と聞いたのに。


問いに答えてくれる人は居ない。
風が木々を揺らす音だけが響いていた。



続く

また続きモンかよ!そうです、続きモンです。続きモンといっても、2、3話で終わるモノです。
書きたかったモノなので、読んで楽しんでいただけると嬉しいです。本当に。
好きなモノ書くのって本当に楽しい。
タイトルについてはツッコミなしで!

2006.8.8